はじめまして!
板橋中央総合病院研修医2年目の田中宏明と申します。
この度京都で初開催となるUnited Medical Leaders(UML)@京都、「臨床」について再考する〜医療に潜むウソと本音〜に参加させて頂いたので、その様子をレポートさせて頂きたいと思います!
私は学生時代から総合診療や診断学に非常に興味がありました。今回は学生時代にお世話になった、洛和会音羽病院ER(当時は洛和会丸太町病院総合診療科)の白神先生にお誘い頂き、参加させて頂く事となりました。
テンション最高潮!メンバーとめぐる京都・二条城での前夜祭
まず11月16日(金)、仕事を早退させて頂き、東京駅から京都駅行きの新幹線に飛び乗りました。
ワクワクの京都旅行の始まりです。完全に目的を見失っております。
17日(土)、寝坊した私は、“せっかく京都に来ているのだから…”と重い腰を持ち上げて清水寺に向かいました。
心を洗い流し(?)、前夜祭集合場所の錦市場に向かいます!!
しかし、ここで見事に渋滞にはまります。…ああ、日頃の行い。
ようやく前夜祭メンバーに合流です。
皆さんは錦市場でゲットした美味しそうなおばんざいを抱えていました。
“おばんざい”、なんてお洒落な響き…
そして、お宿に到着!場所は二条城近くの京町家。昔ながらの古民家を改修した、和風テイスト溢れる建物です。
なんと、掘りごたつがある!エクセレント!ここで一同テンションが最高潮に!飛んだり、跳ねたり、写真を撮ったり!
そうこうしていると、メンバーが続々と集まってきます!
「お名前は?」「よろしくね〜!」…この光景、まるでテ◯スハウスです。
さて、ひとしきりはしゃいだところで、楽しい宴の幕開けです。錦市場で買ってきたおばんざいや、それぞれが持ち寄った手土産をテーブルに広げ、乾杯します!
団欒しているとAntaa御一行が到着。賑やかなメンバーが増え、場がさらに温まります。話に花を咲かせていると良い時間に…。
夜の一大イベント、二条城のプロジェクションマッピング鑑賞です。
時代を感じる二条城の壁いっぱいに、近代的な映像が映し出されると、あまりの美しさに皆、感動していました。
宿に帰ってからは、近くの銭湯に行ったり、さらに飲み明かしたり、また楽しい時間を過ごしました!
“臨床医になる”ための近道 駆け出しの医師として意識すべきこと〜イベント当日〜
さて、夜は明けて18日(日)。
前夜祭の話だけで終わってしまうところでしたが、いよいよ本題のUML当日です。
皆さん二日酔いでダウンしていたり、当日になって慌てて企画を考えたりしていたのはここだけの後日談です。結局大成功に終わったから良いのです!笑
会場は平安神宮近くの京都みやこめっせ。京都は本当にお寺や神社が多いですね。羨ましい。
当日のスケジュールに沿って、イベントの様子をお伝えします!
*13:30 開場
会場には続々と参加者が集合します!
若手の医師がメインですが、中にはベテランの先生も。また、医学生も結構な人数参加しており、UMLの勢いを感じました。
*14:00~14:15 オープニング
プログラムは徳田嘉仁先生(近江八幡市立総合医療センター総合内科)と、近藤敬太先生(藤田医科大学総合診療科)の息の合った、軽快なオープニングトークでスタートしました。
会場はすぐに笑いに包まれ、早くも大成功の匂いがします。
*14:15~14:45 島薗洋介先生ご講演「病の語りから治療のドラマへ」
島薗洋介先生(大阪大学人間科学研究科講師)は、医療人類学の分野で活躍されている先生。「臨床医ではなく患者側の立場から」という視点で、Narrative-based medicineについてのご講話を頂きました。
医療者は、気をつけているつもりでも、ついデータや画像に気を取られ、疾患に対する医療をしてしまいがちです。
ですが、患者さんはそれぞれに人生のストーリーや考え方があり、我々はそれを踏まえて、全人的な医療をする事が求められています。「頭ではわかっていても失敗してしまう行動原理」や、「医療者と患者さんの思考のギャップ」など、研究者の立場である先生だからこそ展開できる、深い考察でした。今後の自分の診療において、意識すべきエッセンスを得る事ができたと思います。
*15:15~15:45 國松淳和先生ご講演「“臨床医”になるために」
続いての國松淳和先生(南多摩病院総合内科・膠原病内科)は、一転して臨床医の立場から、「“臨床医”になるために」という演題でお話いただきました。
登場シーンから衝撃で、(先生の十八番かもしれないので詳細は割愛)、会場は再び爆笑の渦に!先生の歩んでこられたキャリアや、実際の症例の話などを、毒舌を交えたリアルなトークでお話され、その世界観にぐいぐい引き込まれました。また、診断学のスペシャリストでいらっしゃる國松先生が語られる、「仮病の見抜き方」のお話は、とても興味深かったです。先生のキャリアの中で、総合診療とともに精神科も学ぶご経験があり、それが活きているのだとか。
先生のお話から、多種多様な経験をする事こそが、“臨床医になる”ための近道なのだ!、というメッセージを受け取った気がしました。駆け出しの自分にはとても響く内容でした。
*16:00~17:30 ワークショップセッション
まずは、石黒剛先生(いしぐろ在宅診療所)による、FACTFULLNESSのクイズです。
FACTFULLNESSとは、“思い込み”と“データ上の現実”のギャップを認識し、世界を読み解くと言う概念です。
書籍も大ヒットしているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。賢い人ほど思い込むという所が味噌で、実際にクイズをしてみると、かなりの人が誤った回答をしていることが分かりました!
このクイズの成績によって、参加者を「スーパーサイヤ人」「人間」「サル」という3グループに分けて次のワークショップに移ります。
次のワークショップは、疾患名のジェスチャーゲーム。
「サルは下克上できるのか!?」というユニークな設定で、みんな俄然モチベーションが上がります!
「肺炎!」「片頭痛!」など、みんな元気よく回答していました。中には難易度が高く、ジェスチャーする側も回答する側も困ってしまうものも。ここでのメッセージは、「人に物事を伝えるのって難しいよね」という事。医療の原点は、常にコミュニケーションにあるのだ、という事を再認識します。
ちなみに勝負の行方はというと、「サル軍」が見事勝利をおさめました。コングラッチュレーション!
*17:30~18:00 クロージング
そして、クロージング。あっという間の4時間でしたが、とても充実していました。
終始良い雰囲気の中、滞りなく会は進行し、大盛況に終わりました!
※当日のタイムスケジュール
13時半 会場
14:00-14:15 オープニング
14:15-14:45 島薗洋介先生ご講演「病の語りから治療のドラマへ」
14:45-15:00 質問
15:00-15:15 休憩
15:15-15:45 國松淳和先生講演「“臨床医”になるために」
15:45-16:00 休憩
16:00-17:30 ワークショップセッション
17:30-18:00 クロージング
18:30- 懇親会(飲み会)
同世代の研修医や医学生と現況や将来について語り合う
その後近くのお店で懇親会。ここにも多くの方が参加されており、お酒も入って皆、活気のある交流をしていました。
私は同世代の研修医や医学生と現況や将来について語り合い、とても刺激を受けました。
以前から、このような勉強会にはとても興味がありましたが、実際に参加した事はありませんでした。今回ご縁があって参加させて頂き、とても学びが多く良い経験となりました。
また、全国に同じような志を持つ先生との繋がりができる事は、何ものにも代えがたい大きな財産だと思います。
これまでの私と同じように、興味はあるけど参加したことがない…、そんな方は、是非このUMLに参加してみてください!とてもフレンドリーなメンバーが多く、本当に参加しやすい勉強会になっています。
板橋中央総合病院 初期研修医 田中宏明
United Medical Leaders(UML)@京都日時:2019年11月17日-18日
テーマ:「臨床」について再考する〜医療に潜むウソと本音〜
・患者が紡ぐ物語性としての医療を、どう紐解くか
・なぜ患者は「ウソ」をつくのか
・そもそも「臨床」とはなんなのか
講師:総合内科医の國松淳和先生、医療人類学者の島薗洋介先生
※United Medical Leaders(UML)とは?:若手医師&医学生が、出身大学や標榜科などの枠を超え、新しい知識・感覚・人脈に触れて、自らの可能性を広げ、次世代の医師のつながりをつくるサミット。
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