今回、千葉大学医学部付属病院放射線科の和田 武(Takeshi Wada)先生をお招きし、明日から臨床ですぐ使える上腹部MRIの基本について解説していただきました!
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西山
はい、みなさんこんばんは。 今日は千葉大学医学部付属病院放射線科の和田先生にお越しいただきました。
和田先生には何回か出ていただいていて、大人気の講師です。
本日は、『上腹部MRIの基本』ということで、それでは和田先生よろしくお願いいたします。
和田
よろしくお願いいたします。
今回、『上腹部MRIの基本』についてお話ししたいと思います。
では、まず自己紹介です。
和田 武と申します。千葉大学2011年卒で現在医師9年目です。
現在は母校である千葉大学医学部付属病院で放射線科医として働いています。
画像診断とIVRを専門としています。
さて、今日なんですけれどもMRIの話をしようと思いまして、これはある日のMRCPの画像ですね。
上にずらーっと画像がいっぱい並んでいますね(笑)
最近、消化器内科の先生達に「画像が多すぎて何が何だかわからない」とのコメントを頂きまして、そこについてもお話ししようと思います。
みなさんが悩んでいることの多くは
- シーケンスが多すぎる
- シーケンスの役割が分からない
- どのシーケンスをみたらいいかわからない
といったことだと思います。
今回そういった疑問を解決できるようなレクチャーにしたいと思います。
では、本日の内容です。
まず、1つ目はシーケンスを4つに分類すること。原則としてシーケンスを4つに大きく分類することが出来れば、なんとなく自分がみているシーケンスがどんなものなのか把握することが出来ます。
2つ目は脂肪抑制法の違いを知ること。脂肪抑制とは非常に汎用される方法で重要なのですが、ちょこっとコツを知っているだけでひとつレベルがあがった読影が出来ると思います。
3つ目はDWI(拡散強調画像)を使いこなせるようにすること。拡散強調像、原理は難しく感じてしまうのですけれどもこれも使いこなすことで非常にレベルアップ出来ると思います。
この3つについて話していきたいと思います。
では、まず1つ目の”シーケンスを4つに分類しよう”からです。
はい、ここでさっそくですが質問です。
みなさんよくご存じのT1とかT2とかってあると思うのですけれども、水が高信号(白い)を示すのはT1強調像or T2強調像、どちらでしょうか。
西山
水・・・これは2択ですがどのくらい難しいものですか?
和田
はい、これは直観でいっちゃいましょう!
西山
これはよくもらう質問なのですか?
和田
そうですね、シーケンスを4つに分類するという、とっかかりの部分では一番重要なところだと思います。
(15秒間)…
和田
答えはT2強調像です。
みなさんいかがでしたでしょうか?
T1は組織のT1値の違いを強調した画像です。水が黒い(低信号)、脂肪は白い(高信号)を示します。T2は組織のT2値の違いを強調した画像で、水が白い(高信号)、脂肪は黒い(低信号)を示します。
また、上腹部のMRIにおいては水のある場所はどこか?といいますと脊柱管内の脳脊髄液(CFS)をみればいいとされています。
さて、続いて脂肪抑制の話があると思うのですが、脂肪抑制ありかなしは非常に重要な部分です。
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