患者の対応 /エコーでわからなかった場合/鎮痛

今回はメルマガ特集の第9回目。みなさん第8回までは如何でしたでしょうか?
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今回は虫垂炎についてのQAをご紹介しますが、なかでも「妊婦の虫垂炎」にターゲットをしぼりました!

妊婦の虫垂炎は診断や治療が遅れ、穿孔を起こしてしまうと胎児死亡を引き起こす可能性もありますし、行える検査、処方できる薬剤も、非妊婦の場合に比べて一気に限られてきます。

そんな妊婦のQAについて、議論が盛り上がったQAがいくつかございましたので、ご紹介させていただきます!

妊婦の虫垂炎疑い患者の対応について

妊婦の虫垂炎疑いに関して質問です。妊娠7-8週の38歳女性、右下腹部痛で紹介されました。妊婦さんの虫垂炎はしばしばある話だとは思いますが、臨床的に虫垂炎を疑う場合、どのように検査・治療を進めるのが良いでしょうか?

1問目は、妊娠初期の右下腹部痛の患者さんのエピソードですね。虫垂炎を疑ったとき、妊婦だとどんな対応をとればいいのかという質問です。

早速回答をのぞいてみましょう!


救急医です。妊婦の腹痛、いつも困りますよね。
まず、妊婦の虫垂炎はしばしば診断が遅れ、穿孔しやすいです。穿孔すると胎児死亡率が36%上昇するとの報告もあり、注意が必要です。虫垂炎の診断にはエコーをまず行うのが良いとされています。虫垂は右下腹部だけでなく右上腹部に存在する可能性がありますので(25%に右上腹部痛を訴える)右下腹部以外もエコーを当てるようにしましょう。
それでも難しければMRIが次の選択肢になります。MRIは…

まず、妊婦の虫垂炎は胎児死亡リスクになるので要注意とのことですね。
そして、基本はエコーで診断するのが良いとされているとのことです。
エコーで診断できなかった場合のMRIやCTについても詳しく説明いただいているので、ぜひ、全文を読んでみて下さい!

その週数であったら子宮はまだそこまで大きくないのでエコーでも見つけられるかもしれませんが、単純でMRIをとるのが一番確実だと思います。見つけてしまえば、後は虫垂炎の状態に合わせて虫垂炎の治療を行えば良いと思います。抗菌薬はセフェム系、ペニシリン系、マクロライド系などその辺は全部使って大丈夫です。手術が必要な情況であれば…

子宮の大きさ次第ではエコーで見つけるのが困難な場合もあり、それを考えると、MRIで診断という選択肢も確実であるとの意見でした!臨場感のある意見で大変参考になりますね!
虫垂炎の治療の方は、手術も考慮し、抗菌薬の使用についても説明いただきました!

エコーでわからなかった場合は?

【妊婦の虫垂炎の診断について】
いつも勉強させていただいております。右下腹部に限局する痛みのある妊婦さんで、病歴、身体所見、エコーから虫垂炎の可能性を上げられなかった場合、単純MRIまで撮るべきでしょうか?MRI以外に何か有用な手段はありますでしょうか?
また、生理的に白血球が上昇している中で、Alvarado scoreは妊婦にも有効なのでしょうか?質問が複数になってしまいすみません。「妊婦の虫垂炎をきちんと除外するにはどうすれはいいのだろう?」というのが質問の主旨です。よろしくお願いいたします。
2問目の質問は、エコーから虫垂炎の可能性を上げられなかった場合についての質問です。
妊婦の虫垂炎かどうかの診断にエコーのあとにどのようなことを考えるのか、難しいですね!虫垂炎のエコーは決して簡単ではないので、困る場合もあると思います。
それでは回答を見ていきましょう!

MRI止むを得ず撮影することもあります。妊娠何週からオーケーか、というのは施設によって基準があることがあるのでまず確認しましょう。当然ながら胎児は動くので動作に強いシーケンスを撮影する必要があり、かつ妊娠によって虫垂の位置が変化してますので、撮影中に虫垂を見つける努力が必要です。具体的には…

まず妊婦のMRIの撮影に関しては施設ごとに基準があるので、それに従いましょうということでした。
そして、胎児が動くことや患者が妊婦であることを考慮した撮影方法をとらなければならないとのことでした。
やはり、非妊婦の場合よりもどうしても難しくなってしまうのですね。


1、Alvarado scoreはあまりあてになりません。
2、妊娠週数にもよりますが、妊娠22週以降なら、疑ってる時点で入院推奨→ 産婦人科医へ相談を
3、MRIを夜間に緊急でとるかどうかは母胎と胎児の状態と妊娠週数によります。
4、虫垂炎をすぐオペするか抗生剤点滴するかは、その病院の産婦人科医と外科の方針によります。

こちらの回答では、箇条書きでわかりやすくまとめていただきました!
妊娠週数や状態にも左右され、処置の方もどのようにするかは一概にどうするべきかというのはあまり決まっておらず、施設ごとによるということですね。施設ごとに環境も違いますし、他科との連携を意識して対応するのが非常に重要ですね!
他にもわかりやすい回答をたくさんいただきましたので、ぜひ目を通してみて下さい!

妊婦の鎮痛について

お世話になります。妊娠7週の妊婦の鎮痛についての相談です。
先日妊娠7週の妊婦が腹痛できて、最終的には虫垂炎だったのですが、その際の鎮痛はアセトアミノフェンが妥当なのでしょうか?
最終的には手術になりその際は硬膜外、脊椎麻酔で行ったのですが、救急外来での鎮痛という観点ではやはりアセリオなどなのでしょうか?ペンタゾシンなどはやはり胎児の呼吸抑制などで禁忌になるのでしょうか?
授乳婦にはあまり積極的には使わない方がいいという記載があって、分娩前などの記載はあったもののどうなのかと思いまして、わかるかたいらっしゃったらご教授お願いします。

妊婦への鎮痛薬の投与についての質問です。

妊婦では薬の適応が非妊婦よりも制限されてしまいますが、鎮痛についてはどうなっているのかという意見でした。同じ悩みを抱いたことのある先生もいらっしゃるのではないでしょうか?

それでは回答を見てみましょう!


アセリオでいいと思います。鎮痛薬で催奇形性のある薬剤は基本的にはないのでその点に関しては問題ないのですが、やはり胎盤(血管の塊)に影響しそうなものは避けるべきなのでロキソニンとかは初期でも避けます。呼吸抑制は…

先生方と同様にまずアセリオ、ダメならソセゴン使います。NSAIDsは可能なら避ける、でしょうか。ちなみにNSTは児の交感神経系が発達する32週以降でないとあまり有意ではないです。7週だとエコーで…

他にも回答して下さっている先生方もいらっしゃいますが、皆さんまずは、アセトアミノフェン、そして次の手としてペンタゾシンで良いとのことでした。
2剤とも妊婦に対しては有益性投与であるので、問題ないのではないでしょうか。

AntaaQAの質問ではディスカッションも多くあります!

今回のQAの紹介は以上となります。

AntaaQAの方でご覧になった方は他の回答も読んでいただきありがとうございます。

AntaaQAでは、質問に対して回答が来るだけではなく、回答に対し他の先生がコメントを残し、ディスカッションに発展することも多いです!そのようなディスカッションの場では、得られる情報量が上がるので、ぜひまだAntaaQAに登録していない方は、登録していろんなQAをのぞいてみてはどうでしょうか?

 

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