爪囲炎の症例と治療法は?

  • 2020年4月9日
  • 2020年4月9日
  • 診断
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今回はメルマガ特集の第7回目。みなさん第6回までは如何でしたでしょうか?
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第7回目は「爪囲炎」についての特集です。
※連載:メルマガ特集とは

まずは爪囲炎について見直してみましょう。

爪囲炎は通常急性であるが,慢性例もある。急性爪囲炎の起因菌は,通常は黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus)またはレンサ球菌であり,頻度は低くなるがPseudomonas属またはProteus属も起因菌となる。これらの菌は,さかむけ,爪郭の外傷,爪上皮の消失,または慢性的な刺激(例,水や洗剤による)の結果として生じた表皮の破綻部から侵入する。指を噛む,しゃぶるなどの行為によっても感染が生じやすくなることがある。足趾では,しばしば陥入爪から感染が始まる。
(中略)

糖尿病患者と末梢血管疾患の患者では,足趾に爪囲炎が生じると,下肢切断に至る恐れがある。

引用元:「急性爪囲炎 – 14. 皮膚疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

今回はこの爪囲炎についてのQAを2つご紹介いたします。
どちらのQAもとても丁寧な回答をいただきました!ぜひ一度、目を通していただければと思います。

爪囲炎の標準的な治療について

先日当直で陥入爪と爪囲炎の方を診察したのですが、一般的な種類や治療法、専門家への紹介の注意点などをご存知の先生がいらっしゃいましたら教えていただきたいです。よろしくお願いします。

一つ目の質問は「爪囲炎の一般的な治療について」です。

診療科によっては爪囲炎を見る機会が少なく、当直等で苦労された経験のある先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この質問について回答をご紹介致します。


爪周囲炎は、炎症のみであれば爪ニッパーで除圧。膿瘍があればピンク針で排膿。患部の発赤、発熱、腫脹、疼痛があれば抗菌薬処方Phaseと考え、黄色ブドウ球菌ははずさない抗菌薬を選択。CEXあたり。ただ、代表表面の感染症なので上記のPhaseでも抗菌薬なしでも治ることもあるかと思います。
あとは糖尿病などのリスク患者であればPhaseの場合には私は必ず処方します。CA-MRSAが当たり前の地域になれば抗菌薬の選択は変わりますが…

分かりやすい説明をいただきました!
爪囲炎の治療は原因の爪のトラブルへの対処、排膿と抗菌薬投与とシンプルですが、特に注意いしたいのは糖尿病の既往についてですね。前述のとおり、血流障害が起きていたり、感染に脆弱な状態であると、爪囲炎になりやすいです。
また、糖尿病の場合、足趾切断になる可能性もでてくるので、蜂窩織炎まで感染が波及していないかについてもチェックする必要があります。

この他にも、小児の場合の抗菌薬についてもご説明をいただいております。
全文は、Antaa QAから閲覧いただけます。

 

肉芽形成を伴う爪囲炎の加療について

  

お世話になっております。
17歳女性ですが、1か月前に深爪をした後から腫れてきて治まらないとのことで受診されました。
爪囲炎と判断して、1週間ゲンタマイシンを塗ってもらった後の写真です。
炎症が遷延したためか肉芽を形成しております。

肉芽の治療でステロイド外用をすることがあるとどこかで習ったことがあるため、マイザー軟膏を処方して2週間後再診を指示しました。 この肉芽の治療に関してお聞きしたいのですが、

・肉芽に対するステロイド外用治療は妥当でしょうか?
・ステロイド外用が奏功しない場合、それ以外の選択肢としてはどのような治療法が考えられますでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

二つ目の質問は爪囲炎後に形成された肉芽についての質問ですね。爪のトラブルから爪囲炎になる、典型的なタイプの爪囲炎ですが、肉芽を形成してしまった例です。
早速、回答を見ていきましょう!

いつもお世話になっております。陥入爪や弯曲爪がベースにあり、爪を切り過ぎた事で爪囲炎になる方がよく受診されます。
基本的には、爪を奥まで切りきれずに、尖った形で側爪郭に残ってしまった爪による物理的な刺激で傷ができ、感染しているパターンが多い気がします。場合により、いくつか選択肢があるので、患者様と相談して方針を決めています。
①感染が強く、肉芽も大きい、痛みも強い場合。歩けないほど痛い場合は、すぐにでも痛みを改善して欲しいと希望される患者様が多いので、趾ブロック下での部分抜爪(感染している側方のみ細く爪をカットして、後爪郭から引き抜きます。肉芽が大きい場合には同時に肉芽焼灼をお勧めします。
側爪郭に刺さっている爪が物理的に無くなるので、数日で痛みは急激に改善します。
ただ、4-6ヶ月程度(高齢者では1年程かかることも)で、同部位に新たな爪が伸びてくるので…

こちらは形成外科の先生の回答ですね。大変詳しい回答をいただきました。

感染や肉芽の程度による治療方針の違いから、使用する軟膏、弯曲爪や陥入爪の予防法まで回答していただきました!

爪囲炎の治療だけで終わるのではなく、それを引き起こした、足趾の爪の問題までアプローチするのが大切なのですね。

 

他にも以下のような回答をいただきました!

針さして中に溜まっている膿を全部ぬく。

あとは接触刺激で余計に腫れるので、ぐいっと爪から離れるようにテーピングして固定しとくといいよと昔皮膚科の指導医には教えてもらいました。それで大抵治っているので、ステロイド外用はいままでした事はありませんでした・・・

それに近い方がたまに整形外科にもいらっしゃいます。

まだ発赤が見られるようですが、熱感圧痛はありませんか?あるなら、まだ局所感染が落ち着いていない可能性があるのでセファレキシン等内服抗菌薬投与で落ち着くケースが多い気がします。また、どうしても肉芽が邪魔になるケースでは外科的切除も検討されるので…

初診では膿あるいは滲出液の培養感受性。抗生剤処方まず3日。

爪の刺激への治癒過程過剰反応なのでテーピングは1法ですが、アクリルガター法を行います。ステロイド外用も経過を見て使用することもあります。

以前は爪の肉芽側を切除したこともあります。

専門の科の先生はもちろん、他科の先生方からも経験に基づく回答をいただけるのはとても参考になりますね!爪へのアプローチもしっかり書いてくださっています。

質問者の先生の経過報告によると、この患者さんは最終的にはマイザー軟膏が効いたのか、再診時にはかなり良くなっていたそうです。

AntaaQAへ素晴らしい回答が寄せられました!

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今回のQAもたくさんの素晴らしい回答をいただきました!

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