早いものでメルマガ特集も今回で第6回となりました。第5回までの記事は皆さん読んで下さったでしょうか?
第6回のテーマは腫瘍マーカーについてです!
科によってはかなり扱う機会の多い先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな腫瘍マーカーについてのQ&Aを今回は1つご紹介いたします!
質問編
70代男性 6ヶ月前からのCEA上昇のため大学の総合診療科に紹介されました。
3年前に肺がん(小細胞がん+腺がん)手術後、化学療法施行し、2年ほど寛解の判断をいただいています。
6ヶ月前からのCEA上昇あり腫瘍再発を疑って胸腹部CT, 造影CT, GF, CF, 頭部造影MRI, PET-CT行われましたが再発、転移の所見はありません。
本人の自覚症状はなく、術後フォロー目的に検査されたマーカーです。
CEA の推移です。9.5(2017/11)→27.1(2018/7)→76(2018/76)
up to dateに記載されているCEA上昇をきたす疾患や原因のなかで、調べられていないものは甲状腺がありました。1週間後にフォローしています。
疑問点が2点あります。
⑴CEA高値の原因として考えられる原因はありますでしょうか?
⑵どのような時に腫瘍マーカーをオーダーし、フォローしていらっしゃいますか?
ガイドラインなどありましたら教えてくださいよろしくお願いします。
腫瘍マーカーの中でもCEAに関する質問ですね。
肺がん寛解後、術後フォロー目的の腫瘍マーカーの検査でCEAの上昇を確認し、腫瘍再発だと思いきや、画像検査では異常なしとのことですね。CEAは勢いよく上がっていますね。
CEA高値を示す疾患には、消化器系をはじめとする各種がん(肺がんでも腺がんだと高値を示しやすいとされています。)のほかに、上がり方に違いはあるようですが、偽陽性を示すものとして、糖尿病、甲状腺機能低下症、膠原病、肝硬変など、たくさんあります。また、喫煙者でもCEAは高値をとりやすく注意が必要です。
これを踏まえて、早速回答編を見てみましょう!
回答編
画像所見の読みが間違ってない前提ですが、自分なら「偽陽性として経過をみる」を選ぶと思います。 ご存知の通り、腫瘍マーカーは感度・特異度ともにあてにならない検査値です。 もちろん外科フォローでは重要な所見ですが、これだけ検査されて異常がないのであれば腫瘍以外の理由での上昇だと思います。よくあるのは…
CEAは中等度上昇(10~20)や、高度上昇(20~)だと、悪性腫瘍の可能性が高くなってくるようですし、CEAの上昇と単に行っても、どの程度上昇しているのかにも注意したいですね。
まとめ
どうでしたでしょうか。
3人の先生方の回答はそれぞれ重要なポイントをついていらっしゃって、参考になったかと思います。
腫瘍マーカーはその特性上、考え方が難しくなってしまう場合もありますが、臨床上では非常に重要ですので、気になる方はAntaaQAでほかの腫瘍マーカーについての質問を見てみてはいかがでしょうか?
それではメルマガ記事第6回を終わります!
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