腫瘍マーカー、どう考えていますか?:メルマガ特集Vol.6「腫瘍マーカーについて」

  • 2020年1月22日
  • 2020年1月21日
  • AntaaQA
  • 316view

早いものでメルマガ特集も今回で第6回となりました。第5回までの記事は皆さん読んで下さったでしょうか?

第6回のテーマは腫瘍マーカーについてです!
科によってはかなり扱う機会の多い先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな腫瘍マーカーについてのQ&Aを今回は1つご紹介いたします!

※連載:メルマガ特集とは

質問編

【腫瘍マーカーの解釈、取るタイミング】について教えてください。
70代男性 6ヶ月前からのCEA上昇のため大学の総合診療科に紹介されました。

3年前に肺がん(小細胞がん+腺がん)手術後、化学療法施行し、2年ほど寛解の判断をいただいています。
6ヶ月前からのCEA上昇あり腫瘍再発を疑って胸腹部CT, 造影CT, GF, CF, 頭部造影MRI, PET-CT行われましたが再発、転移の所見はありません

本人の自覚症状はなく、術後フォロー目的に検査されたマーカーです。
CEA の推移です。9.5(2017/11)→27.1(2018/7)→76(2018/76)

up to dateに記載されているCEA上昇をきたす疾患や原因のなかで、調べられていないものは甲状腺がありました。1週間後にフォローしています。

疑問点が2点あります。
⑴CEA高値の原因として考えられる原因はありますでしょうか?
⑵どのような時に腫瘍マーカーをオーダーし、フォローしていらっしゃいますか?

ガイドラインなどありましたら教えてくださいよろしくお願いします。

腫瘍マーカーの中でもCEAに関する質問ですね。

肺がん寛解後、術後フォロー目的の腫瘍マーカーの検査でCEAの上昇を確認し、腫瘍再発だと思いきや、画像検査では異常なしとのことですね。CEAは勢いよく上がっていますね。

CEA高値を示す疾患には、消化器系をはじめとする各種がん(肺がんでも腺がんだと高値を示しやすいとされています。)のほかに、上がり方に違いはあるようですが、偽陽性を示すものとして、糖尿病、甲状腺機能低下症、膠原病、肝硬変など、たくさんあります。また、喫煙者でもCEAは高値をとりやすく注意が必要です。

これを踏まえて、早速回答編を見てみましょう!

 

回答編

非常に悩ましい所ですね。検査内容を見ると前医の苦労が伺えます。
画像所見の読みが間違ってない前提ですが、自分なら「偽陽性として経過をみる」を選ぶと思います。 ご存知の通り、腫瘍マーカーは感度・特異度ともにあてにならない検査値です。 もちろん外科フォローでは重要な所見ですが、これだけ検査されて異常がないのであれば腫瘍以外の理由での上昇だと思います。よくあるのは…
1人目の先生はほかの多くの検査でがんが確認されないならば、偽陽性として扱うとのことですね。腫瘍マーカーは感度、特異度とも決して高いとは言えない場合あり、腫瘍マーカーが高値でも、がんでないケースは多くあります。
では腫瘍マーカーにはどんな意味があるのか、もう一度軽く確認してみましょう。
腫瘍マーカーはその陽性時には,1)癌の病期決定,2)癌の組織型,3)手術や化学療法の完成度,4)再発癌の早期発見に大きな威力を発揮しており,癌の臨床には不可欠の武器となっている。
 
回答後半では、偽陽性になっている場合によくある原因のパターンや、腫瘍マーカーの検査をオーダーする時がどんな時か教えてくださっています。ぜひAntaaQAで続きを読んでみてはいかがでしょうか。
 

(1)喫煙、高齢などによるCEA偽陽性は通常軽度の上昇(5〜10台くらいまで)に留まるので、この症例については当てはまらないと思います。上昇の程度からは再発もしくは他の新規のがん発症の可能性が高いように思われるので、closed f/uが良いかと思います。 (2)腫瘍マーカーは基本的にはがんの診断時に測定し、(上昇があれば)その後は治療効果の判定、もしくは…
二人目の先生によると、CEAが偽陽性の場合、CEAは高値といっても5から10くらいまでしかあがらないとのこと(CEAの正常値は1~5)ですね。
CEAは中等度上昇(10~20)や、高度上昇(20~)だと、悪性腫瘍の可能性が高くなってくるようですし、CEAの上昇と単に行っても、どの程度上昇しているのかにも注意したいですね。

 

治療前の腫瘍マーカーの値はどうだったのでしょうか。 治療前のCEAが高値で、手術や抗癌剤治療で低下していたという事実があれば、今回のCEA上昇は再発の可能性が高いと考えます。 髄膜癌腫症(癌性髄膜炎)は頭部造影MRIでもわかりにくい場合があります。 今回は自覚症状もないとのことですので…
最後の回答者の先生です。この方は外科の先生ですね!
術後のマーカーの値だけでなく、治療前からの腫瘍マーカーの値の動きも大切だとのことですね。腫瘍によってマーカー高値がみられるのなら、当然治療成功後はマーカーの値は下がります。となると、再発時もマーカーの上昇がみられるかもしれないですね。言い換えれば、CEAがそのような動きをした場合は再発の再発の可能性が高いとのことですね。

まとめ

どうでしたでしょうか。
3人の先生方の回答はそれぞれ重要なポイントをついていらっしゃって、参考になったかと思います。

腫瘍マーカーはその特性上、考え方が難しくなってしまう場合もありますが、臨床上では非常に重要ですので、気になる方はAntaaQAでほかの腫瘍マーカーについての質問を見てみてはいかがでしょうか?

それではメルマガ記事第6回を終わります!

医師医学生専用のQAサービス

「AntaaQA」は診療中の疑問を医師が互いに答え、知識をシェアする医師専用のサービス。
いますぐ10秒でユーザー登録!

Antaa QAに10秒で登録する。

  コメント - Comments -

コメントは公開されません。


>現場の判断を助ける、医師同士の質問解決プラットフォーム

現場の判断を助ける、医師同士の質問解決プラットフォーム

「外来で、専門外の症状の診断に不安がある。経過観察をしようか迷う」「当直で、レントゲンで骨折を疑ったが、読影に不安がある。他に人を呼ぶべきか判断に迷う。」そんな時は、AntaaQAでいつでも即相談。第一線を走る医師たち・同じ悩みをもつ医師に質問ができ、判断に迷ってたあなたの悩みを解決に導きます。

CTR IMG