新企画:メルマガ特集開始!!
さて、今回から新シリーズのメルマガ特集が始まります!はじめに、この企画では何をするかをざっくりと説明しましょう。
Antaaのメールマガジンでは、臨床現場の日々の疑問や不安を解決するための情報をお届けしています。
この企画では、過去に配信したメールマガジンの中から、注目度の高いAntaaQA内の相談などをピックアップし、さらに情報を追加してご紹介いたします! 関心を集めた記事や情報と一期一会ではもったいないですからね!メールマガジンを読んでなかった方はもちろん、読んでいただいた方ももう一度目を通してみてはいかがでしょうか?
それでは参ります。第一回は「風疹ワクチン」についての特集です!
・予防接種の必要性についての質問
QA一つ目は予防接種の必要性についての質問です。
このような場合、①まずは麻疹抗体を持っているかを調べるべきでしょうか?それとも調べずに予防接種を勧めた方がよろしいでしょうか?
②妊娠の初期検査で風疹抗体価が低かったため、約1年前に風疹ワクチンを接種しているのですが、もし麻疹ワクチンを接種する場合は麻疹ワクチン単独の方がよろしいでしょうか?MRワクチンでも問題ありませんか?
2)MRワクチンでOKです。今、離島で麻疹ワクチンは不足しているので、代替にMRワクチン打っています。
また、風しんワクチンの代わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。むしろ麻しんの予防にもつながる利点があります。
ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。これは、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。
また、風しんの単独ワクチン、麻しんの単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している人は接種を受けることはできません。接種後2カ月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。
・ITPの既往歴のある患者への風疹ワクチン投与について
その方は現在風疹抗体価が非常に低いために予防接種を産褥期に促したいところですが、ワクチンを契機に再度ITPを発症しそうで勧めていいのか迷っています。添付文書では風疹ワクチンにより100万人に一人の割合でITPを発症すると書かれていますが…個人的には抗体価が低いのでそもそも風疹に再度かかってITPを発症する確率の方が高そうなのでワクチンを勧めようかと思うのですが、皆さんだったらどう対応しますでしょうか?教えて頂きたいです。
風疹の合併症として、低率ではありますが、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)を発症することがありますが、同時に、風疹ワクチンでも同じことが起こりうることが知られています。それについて、ITPの再発の危険性についての質問ですね。
では回答を見ていきましょう!
ワクチンによるITPの可能性の低さを考えると、問題なさそうに思えるので、投与した方が「リスクベネフィット」的に良さそうという回答ですね!
ただし、風疹ワクチンのような安全なワクチンでも、何か気がかりがあった場合は特に、事前のリスク説明はとても大切ですね。
こちらの質問について、国立感染症研究所のガイドラインも調べてみました!
①心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を
有することが明らかな者
「国立感染症研究所 感染症情報センター 風疹予防接種に関するガイドライン」(https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/041119/041119guide.pdf)
血小板減少性紫斑病の合併はかなり稀と言って過言ではない数値でありますが、血液疾患のため、慎重投与が求められるといことですね。また、今回の質問には関係なさそうですが、ITPのようなガンマグロブリン製剤の大量投与療法を行うケースでは、ワクチンの効果が得られない恐れがあるため、期間を置くことが大切だそうです。
ほかにもアナフィラキシーをはじめとした合併症があるので、一度、復習してみてもよいのではないでしょうか?
・抗体がつかない方への追加の予防接種について
さて、最後の質問は抗体が付きにくい人への予防接種についてです。
風疹ワクチンについて質問です。
世相を反映してか、『風疹ワクチン打った方が良いですか?』の質問が最近増えてきました。
今困っているのが、『過去に3-4回と複数回ワクチン接種しているが、抗体価が上がらない』パターンの患者さんがおられることです。
こういった方は、抗体価が上がるまで打ち続けるべきなのでしょうか?また抗体価測定の間隔など、決まりはあるのでしょうか??
よろしくお願いします。
予防接種をしても抗体が付きにくい人はいらっしゃいますね。B型肝炎の予防接種などでは、2クールの予防接種を経てやっと抗体がつく、なんて人も結構いますよね。風疹ワクチンでもこのようなケースがあるのですね。
では回答を見ていきましょう!
追加接種の意義は証明されていません。
抗体は、細胞性免疫を評価したものではないので、実際は免疫があることもありますし、ダメなこともあると思います。
基本的には免疫はないものとして、注意して生活していただくしかないと思います。
抗体価を測るとしたら、接種から4週間は開けた方が良いと思います。
理由としては、実は免役(細胞性免疫)がついているかもしれないとのこと。
しかし、実際に免疫がついているかはわからないので、感染者の近くには寄らないといった注意が必要です。
次回予告とまとめ
たくさんの先生方の意見を得られるのはやはり良いですし、Q&Aを見てるだけでも勉強になりますね。AntaaQAにまだ登録してない方はぜひ登録して、QAを見たり、自分で質問を投稿したりしてみて下さい!
第一回のメルマガ特集は以上になります!
風疹の予防接種はとても身近な話題なので、楽しんでいただけた方が多いと嬉しいです。
次回は、またまた評判の良かった「院内発症の脳梗塞についてのQA」の予定です。次回のメルマガ特集もぜひ読んでみて下さい!
メルマガ特集とは
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