風疹ワクチンで悩まないために:メルマガ特集始まります!Vol.1「風疹ワクチンQ&Aまとめ」

  • 2019年12月19日
  • 2020年1月20日
  • AntaaQA
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新企画:メルマガ特集開始!!

さて、今回から新シリーズのメルマガ特集が始まります!はじめに、この企画では何をするかをざっくりと説明しましょう。

Antaaのメールマガジンでは、臨床現場の日々の疑問や不安を解決するための情報をお届けしています。
この企画では、過去に配信したメールマガジンの中から、注目度の高いAntaaQA内の相談などをピックアップし、さらに情報を追加してご紹介いたします! 関心を集めた記事や情報と一期一会ではもったいないですからね!メールマガジンを読んでなかった方はもちろん、読んでいただいた方ももう一度目を通してみてはいかがでしょうか?

それでは参ります。第一回は「風疹ワクチン」についての特集です!

・予防接種の必要性についての質問

QA一つ目は予防接種の必要性についての質問です。

31歳(昭和62年生まれ)の女性で麻疹の流行が不安なため、予防接種の必要性があるかの相談をされました。幼少期の接種歴は不明で、現在感染を疑う症状や周囲の流行もありません。
このような場合、

①まずは麻疹抗体を持っているかを調べるべきでしょうか?それとも調べずに予防接種を勧めた方がよろしいでしょうか?

②妊娠の初期検査で風疹抗体価が低かったため、約1年前に風疹ワクチンを接種しているのですが、もし麻疹ワクチンを接種する場合は麻疹ワクチン単独の方がよろしいでしょうか?MRワクチンでも問題ありませんか?

 
つまり、抗体測定の必要性についてがまず一つ。もう一つは、MRワクチンではなく、単独のワクチンのみを打っている人に対し、MRワクチンを打つと、風疹は二重に予防接種してしまうが大丈夫なのかということですね。
では、回答をのぞいてみましょう。

1)感染対策において、抗体測定の意味合いは乏しいです。心配なら打つ!が原則です。ワクチン接種の副作用が心配なら、抗体測定してもいいと思います。相談症例は一回うち世代なので、感染対策のためには、新規の2回目接種が必要です。
2)MRワクチンでOKです。今、離島で麻疹ワクチンは不足しているので、代替にMRワクチン打っています。
私も賛成です!2ヶ月間は避妊が必要なので、ワクチン接種時にご案内お願いします
 
どうやら、抗体測定の必要はなく、さらに麻疹単独ワクチンの代わりにMRワクチンを打っても大丈夫みたいですね。さらに、避妊についての回答もいただきました。厚生労働省の風疹についてのQ&Aをのぞいてみたところ、

Q9.風しんの予防接種を受けるのに、単独の風しんワクチンの代わりに、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか?
A9.風しんの予防対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます
また、風しんワクチンの代わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。むしろ麻しんの予防にもつながる利点があります。
ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。これは、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。
また、風しんの単独ワクチン、麻しんの単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している人は接種を受けることはできません。接種後2カ月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。

 
というQ&Aを見つけました。回答していただいた先生のおっしゃる通り、接種後二か月の避妊に加え、妊婦の接種不可についても書かれていました。MRワクチンや、二つの単独ワクチンを打つときは気を付けましょう!
 

・ITPの既往歴のある患者への風疹ワクチン投与について

QA二つ目はITPとの関連についての質問です。
風疹ワクチンについて質問です。

現在、3歳の時に風疹を先行感染としたITPに罹患し、完治している妊婦さんが入院しております。
その方は現在風疹抗体価が非常に低いために予防接種を産褥期に促したいところですが、ワクチンを契機に再度ITPを発症しそうで勧めていいのか迷っています。

添付文書では風疹ワクチンにより100万人に一人の割合でITPを発症すると書かれていますが…個人的には抗体価が低いのでそもそも風疹に再度かかってITPを発症する確率の方が高そうなのでワクチンを勧めようかと思うのですが、皆さんだったらどう対応しますでしょうか?

教えて頂きたいです。

 

風疹の合併症として、低率ではありますが、免疫性(特発性)血小板減少性紫斑病(ITP)を発症することがありますが、同時に、風疹ワクチンでも同じことが起こりうることが知られています。それについて、ITPの再発の危険性についての質問ですね。

では回答を見ていきましょう!


自分ならリスク説明した上でベネフィット上回りそうなのでと言って打ってしまいそうですが、悩ましいですね!僕も知りたいです。
遅くなってすみません。国立感染症研究所の風疹ワクチンガイドラインではITPなどの血液疾患は慎重投与になっていますが、完治していれば問題ないと考えます。ワクチンによるITPの頻度は低いので、個人的には正直にお話して投与するか相談する形になるかなとおもいます。

 

ワクチンによるITPの可能性の低さを考えると、問題なさそうに思えるので、投与した方が「リスクベネフィット」的に良さそうという回答ですね!

ただし、風疹ワクチンのような安全なワクチンでも、何か気がかりがあった場合は特に、事前のリスク説明はとても大切ですね。

こちらの質問について、国立感染症研究所のガイドラインも調べてみました!


まれに急性血小板減少性紫斑病が報告されています。〔定期接種後の血小板減少性紫斑病の報告件数は、平成 14 年度 2 件(接種者数 1,245,227 人)、平成 13 年度 2 件(接種者数 1,533,866人) 、平成 12 年度 4 件(接種者数 1,723,735 人)、平成 11 年度 6 件(接種者数 2,028,508人)となっています。 〕
接種要注意者(予防接種実施要領に規定)
①心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を
有することが明らかな者
ワクチン添付文書には「輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係」について、 「本剤を輸血及びガンマグロブリン製剤の投与を受けた者に接種した場合、輸血及びガンマグロブリン製剤中に風しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある。接種前 3 か月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、 3 か月以上すぎるまで本剤の接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法、すなわち川崎病、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療において 200mg/kg 以上投与を受けた者は、6 か月以上すぎるまで接種を延期することが望ましい。

「国立感染症研究所 感染症情報センター 風疹予防接種に関するガイドライン」(https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/rubella/041119/041119guide.pdf

 

血小板減少性紫斑病の合併はかなり稀と言って過言ではない数値でありますが、血液疾患のため、慎重投与が求められるといことですね。また、今回の質問には関係なさそうですが、ITPのようなガンマグロブリン製剤の大量投与療法を行うケースでは、ワクチンの効果が得られない恐れがあるため、期間を置くことが大切だそうです。

ほかにもアナフィラキシーをはじめとした合併症があるので、一度、復習してみてもよいのではないでしょうか?

 

 

・抗体がつかない方への追加の予防接種について

さて、最後の質問は抗体が付きにくい人への予防接種についてです。

風疹ワクチンについて質問です。

世相を反映してか、『風疹ワクチン打った方が良いですか?』の質問が最近増えてきました。
今困っているのが、『過去に3-4回と複数回ワクチン接種しているが、抗体価が上がらない』パターンの患者さんがおられることです。

こういった方は、抗体価が上がるまで打ち続けるべきなのでしょうか?また抗体価測定の間隔など、決まりはあるのでしょうか??

よろしくお願いします。

 

予防接種をしても抗体が付きにくい人はいらっしゃいますね。B型肝炎の予防接種などでは、2クールの予防接種を経てやっと抗体がつく、なんて人も結構いますよね。風疹ワクチンでもこのようなケースがあるのですね。

では回答を見ていきましょう!


3回以上接種する必要はありません
追加接種の意義は証明されていません。
抗体は、細胞性免疫を評価したものではないので、実際は免疫があることもありますし、ダメなこともあると思います。
基本的には免疫はないものとして、注意して生活していただくしかないと思います。
抗体価を測るとしたら、接種から4週間は開けた方が良いと思います。
 
3回以上は接種する必要はないとの回答が!
理由としては、実は免役(細胞性免疫)がついているかもしれないとのこと。
しかし、実際に免疫がついているかはわからないので、感染者の近くには寄らないといった注意が必要です。
また、風疹、麻疹、およびMRワクチンは生ワクチンなので、1度接種したのなら、4週間は待たないといけません。
こちらについても今までと同じようにもう少し詳しく調べてみました。

これまでの報告を総合すると、風疹を含むワクチン(今は、原則麻疹風疹混合ワクチンが使われています)を1回接種した人に免疫ができる割合は約95%、2回摂取した人に免疫ができる割合は約99%と考えられています。現在は、2回の接種が定期接種として実施されており、より高い効果が得られています。
「国立感染症研究所 風疹Q&A」(https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubellaqa.html
MRワクチンは、2回受けていても抗体が上がらない場合があります。抗体の上昇がなくても、3回以上受ける必要はありません。抗体が関与せず、細胞が直接作用する「細胞性免疫」はあると考えられるからです。
「朝日新聞DIGITAL はしかが心配… ワクチン接種、子どもや妊娠中は?」(https://www.asahi.com/articles/SDI201805148566.html)

 
風疹の予防接種は2回受けるのが確実で安心ですね。また、今回の症例のように抗体がつかない場合はやはりこれ以上接種する必要は無さそうですね。ただ、3回予防接種してはいけないということではなく、予防接種歴が曖昧な場合などは抗体価をわざわざ確認しなくとも、追加で接種しても構わないそうです。参考になりますね!
 

次回予告とまとめ

たくさんの先生方の意見を得られるのはやはり良いですし、Q&Aを見てるだけでも勉強になりますね。AntaaQAにまだ登録してない方はぜひ登録して、QAを見たり、自分で質問を投稿したりしてみて下さい!

第一回のメルマガ特集は以上になります!
風疹の予防接種はとても身近な話題なので、楽しんでいただけた方が多いと嬉しいです。

次回は、またまた評判の良かった「院内発症の脳梗塞についてのQA」の予定です。次回のメルマガ特集もぜひ読んでみて下さい!

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