腎臓を守り、身体機能を守る地域の腎リハを立ち上げたい!

クラウドファンディングで、腎リハを立ち上げる

今回は、東京北医療センター・ふくだ内科の森維久郎先生にお越しいただき、インタビューを実施しました。森先生は、5月から赤羽で新たに開業すると同時に、現在取り組んでいる腎臓リハビリテーションを立ち上げるためのクラウドファンディングも行なっています。日本でまだ数少ない腎臓リハビリテーションの世界を切り拓いていくチャレンジャーである森先生に、今回はそのクラウドファンディングについてのお話を中心にお聞きしました。
【森維久郎先生:東京北医療センター・ふくだ内科】
 

腎臓リハビリテーションを世の中に知ってもらいたい

今回のクラウドファンディングはどのような内容なのでしょうか?

腎臓リハビリテーションを立ち上げるためのクラウドファンディングです。

腎臓病や生活習慣病を、運動や食事によって予防し、改善する。そんな腎臓リハビリテーションを行うために、昨年より協力者に声をかけて、医師である私と、興味があるという理学療法士2名の3名で、2020年5月に赤羽もり内科・腎臓内科で患者さんへの提供をはじめます。

今回クラウドファンディングに至った経緯を教えてください。

私は、以前大きな病院に勤めている時に腎臓リハビリテーションチームを作ったのですが、勤めていた病院の役割と、腎臓リハビリテーションが担う役割にズレが生じて最終的に解散することになってしまいました。

でも諦めたくなかったので、今回クリニックの開院に合わせて再度挑戦したいと思って、より多くの人に知ってもらうためにクラウドファンディングも行うことにしました。

まだ実際に透析クリニックを除き、腎臓病の保存期(透析をする前の段階)の患者さんに対して地域のクリニックが腎臓リハビリテーションを提供している例を聞いたことがなかったので、自分がその道を切り拓いていこうと思いました。

腎臓リハビリテーションを進めることによる効果としてはどのようなものがあるのでしょうか?

腎臓リハビリテーションには、まず筋力を保持する効果があります。

腎臓病の患者さんは身体機能が7割まで低下すると言われており、寝たきりなどになるリスクが非常に高いです。
加えて驚くべきことに、腎臓リハビリテーションによって、腎臓を守り、透析の患者さんを減らす可能性が最近出てきました。科学的根拠が出るまでに数十年時間はかかりますが、これが本当なら医療費が大幅に減らす可能性があります。

全国に腎臓病の患者さんはおよそ1,300万人、その中でおよそ30万人の方が透析治療中の患者さんです。透析の治療費って年間約500万円かかるので、例えばある地区で透析の患者さんを5人減らすだけでその地区の医療費は2,500万円の削減になるんですよ。これって非常に大きな額ですよね。

 

救急医療が必要になる患者さんの多くは、不慮の事故ではなかった

なぜ『腎臓』なんですか?

私は、元々救急医をやりたくて医者になりました。

交通事故などの不慮の事故が原因で救急医療が必要になる人が多いと思っていたのですが、実際は、高血圧や糖尿病などの慢性疾患が重症化して心筋梗塞などの病気となり、運ばれているという現状を知りました。

特に私が救急医療を研修しているときに、透析治療中の方が体調を崩し救急車で運ばれてくることが多く、腎臓医療に興味を持ちました。そもそも根本的な解決は「透析になる人を減らすこと」であり、腎臓病の予防をやっていきたいと思うようになりました。

現在透析治療中の患者さんは全国で30万人いて、単純計算で500万円×30万人で年間1〜2兆円も医療費がかかってしまっています。全国の年間医療費の総額が40兆円とういうことを考えると、かなりの額ですよね。腎臓病の予防を行う中で、その結果として救急の患者さんを減らしたいと思っています。

どのように予防・改善するのですか?

透析になる患者さんの6〜7割が、糖尿病・高血圧の生活習慣病が原因で透析になっています。

生活習慣病の改善が必要になりますので、運動や食事を中心に治療していきたいと思っています。運動はリハビリテーションを行ない、食事は管理栄養士による栄養指導を行なっていきたいと思っております。

現在は、メディアも立ち上げました(『腎臓内科.com』)。リハビリテーションだけでなく、腎臓全般について患者さん自身で改善できることや、患者さんに対して自分の伝えたいことを投稿しています。

そして、このような独自メディアの運営の経験などが、実際に自分が開業するという意思決定につながっていると思っています。

透析予防のクリニックという今まであまりなかった取り組みを形にしたい

クラウドファンディングをやることによって目指すことは何ですか?

「社会的な観点として」と「事業を行う自分として」でそれぞれ目指していることがあります。

まず「社会的な視点」としては、医療者が腎臓リハビリテーションを患者さんに提供する事例ができるということです。腎臓リハビリテーションは誰もが「必要だ」と思っていたけれど、中々できなかった分野です。
腎臓リハビリテーションという学会もあり、腎臓リハビリテーションのガイドラインもあるんですが、診療報酬で算定することがなかなかできない、認知があまりされていないという問題があります。今回、クラウドファンディングという方法で、資金的に援助を頂くと同時に、腎臓リハビリテーションについて知ってもらうことが狙いです。

また、「事業を行う自分として」は、透析予防のクリニックという今まであんまりなかったクリニックを作るという取り組みを知っていただきたいと思っていました。
自分は大学の偉い先生でもないし、偉大な研究成果を残しているわけでもないのですが、他の人が「これがやりたいけどできない」と思ったことを、固定概念にとらわれず、世の中でガシガシ実装する人間でありたいと思っています。そんな自分を知ってもらうことで、色んな方とコラボレーションできればとも思っています。

今回のクラウドファンディングを見てくれる人に伝えたいことはありますか?

とにかく、『絶対にやります!』ということです。

今までこういう医療系のクラウドファンディングはお金を集めたけど、その後どうなったのか曖昧になってしまっているプロジェクトが比較的多いと思っています。実際、私も募金したのに全く動いていないプロジェクトが多くて、そういうプロジェクトにはしたくないと思っています。

今後色々あるとは思いますが、この腎臓リハビリテーションのプロジェクトは絶対にやりますし、細くでも良いのでやり続けようと思っております!ぜひ応援宜しくお願いします!

 

「赤羽もり内科・腎臓内科」
https://akabanejinzonaika.com/

「腎臓内科特設ページ」
https://jinlog.akabanejinzonaika.com/

「医師と栄養士が教える腎臓の食事のブログ」https://renal.food.akabanejinzonaika.com/

「腎臓リハビリテーション.com」
https://renal.rehabilitation.akabanejinzonaika.com/

「腎臓内科.com」
https://腎臓内科.com

 

 
 

PROFILE

森 維久郎
森 維久郎Ikuro Mori

所属医院・担当SPECIALTY

腎臓内科クリニック「赤羽もり内科・腎臓内科」を開業予定

経歴CAREER

三重大学医学部を卒業。

東京、千葉、埼玉で腎臓内科医として診療をし、2020年5月より東京都北区赤羽で腎臓内科クリニック「赤羽もり内科・腎臓内科」を開業予定。 臨床に従事する傍ら、自身で運営するWebメディア『腎臓内科.com』で腎臓医療について情報発信を行い、2018年にはベストセラー「医療4.0(第4次産業革命時代の医療)」に未来を描く30人の医師として寄稿するなど精力的に活動。

腎臓リハビリの道を切り拓きたい!

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