黒田浩一「Antaaを通して感染症のノウハウを共有したい!」AntaaMembersインタビューVol.4

神戸市立医療センター中央市民病院の感染症科で働く黒田浩一医師。

医師歴10年を超える感染症のスペシャリストで、AntaaQAに登録している医師の一人です。Antaaでは自らの持つ感染症診療のノウハウを広めるために、質問への回答や動画配信に積極的に参加しています。今回のインタビューでは、現場でバリバリ働く医師の視点で、Antaaの活用方法や医療現場における情報共有の問題点など、現場のリアルを聞くことが出来ました。

今回はAntaaと楽天グループの協働プログラム「インタビュー企画」の第4弾ということで、黒田医師のAntaaや今後のAntaaについて話を伺いました。

※連載:AntaaMembersインタビュー企画とは

Antaaとの出会い

黒田先生とAntaaとの出会いは何だったのでしょうか?

Antaaの中山先生たちが主催した「これからの医学系出版の未来を考える会」(2018年7月25日開催)に参加したことが始まりです。医学系出版に興味があったこと、新しいことに挑戦している若手の先生たちの雰囲気を感じて刺激をもらいつつ、可能であればお知り合いになれたらと思い、参加しました。

当時は、千葉県にある亀田総合病院という初期研修への教育に力を入れている病院に所属していました。自分の診療科(感染症科)をローテートしてくれる初期研修医に対して行っていたミニレクチャーなどを、「書籍」という形にして、他の施設の方々と共有できないか、と以前から考えており、それが実現可能なのか、また、実現するには何が必要なのか、などたくさん知りたいことがありました。

この「これからの医学系出版の未来を考える会」に来られていた出版社の方とお知り合いになることができました。自分のネタをお話ししたところ、「J-IDEO」という雑誌の連載と市中肺炎の本を書かせていただくことになりました。そして、2019年7月に「市中肺炎診療レクチャー 感染症医と呼吸器内科医の視点から」を出版することができました。

「これからの医学系出版の未来を考える会」をきっかけに、Antaaには、講義スライドの提供や、online講義(インフルエンザ、市中肺炎)の実施、という形で関わられていただいています。

黒田医師流Antaa

黒田先生はどのような思いでAntaaに情報を提供してくださっているのでしょうか?

医療情報は膨大で、ひとりの医師がすべてを知ることは不可能です。ある領域の専門家にとって当たり前のことが、その他の専門領域の医師(generalistを含む)にとって、当たり前ではないことがあります。

自分が現在専門にしている感染症科は、特殊な感染症だけでなく、どの医師でも対応できたほうが望ましい疾患(例えば、インフルエンザ、市中肺炎、尿路感染症、ワクチン接種など)も扱いますが、意外と基本的な診療が理解されずに、個人の経験を基に診療されている状態をみかけます。
また、近くに専門家がいないため、日々の診療に悩みを持っている先生方も多いのではないかと思います。感染症医になったからには、日本の感染症診療に貢献したいと思ってきました。そのために、悩みを持って診療されている先生方に対して、情報発信できればよいな、と以前から思っていました。

自施設の研修医を教えることはできますが、他の施設の先生方とノウハウなどを共有する機会はほとんどありません。
そのため、Antaaのように、他施設の先生方と情報を共有する場があると、大変助かります(社会貢献という自己実現の場となります)。現在は、時々ですが、Antaaのオンライン配信やAntaa QAを通して、情報を提供することによって、感染症領域の診療でお困りの先生方のお役に立てればと思っています。

他の先生にとっては貴重な回答でしょうね。ご自身で質問を投稿することはありますか?

いえ、AntaaQAでは答える側に回っています。

というもの、私は比較的大きな総合病院に在籍しているため、周りに各領域の専門家が多く存在し、自施設で解決できない内容が、それほどないことが理由です。また、自分の領域で特殊な例があった場合は、知り合いの「超」専門家に聞くケースが多いです。

Antaaは、専門家からすれば基本的だけれど、その他の専門領域の医師にとっては、当たり前ではないこと、を主に共有する場だと認識しています。Generalistとして必要な知識の共有を主体とすることのほうが、専門家のマニアックな知識を共有するよりニーズが高いと思います。

話は少し変わりますが、Antaaのような医師間のネットワークはすごく重要だと思っています。 特に、地方で医師の少ない地域で診療をされている場合など、周りに気軽に質問できる環境がない先生方も多いと思います。AntaaQAを通じて、専門家の見解を確認して、その後の診療に活かしていくことができれば、日本の診療水準がどんどん上がるかもしれません(大げさですね笑)。

診療に際して、わからないことがあった時はどのように対応していますか?

基本的に他の人に聞く前に、自分で調べます。主に使用しているツールは、「PubMed」と「UpToDate」を使うことが多いです。

特に「UpToDate」は病棟でもスマートフォンを使って短時間で調べ物が出来るので使っている医師は多いと思います。

Antaaスライドも確認することがあります。各トピックが日本語でわかりやすくまとめてありますので、時間があまりない先生方にはとても便利だと思います。

Antaaがさらによくなるには

Antaaに望むことはありますか?

AntaaQAについては、仕組みは良いと思います。もっと色々な医師が質問と回答をしてもいいと思います。

そのため、より多くの医師が、質問・回答するような状況を作っていく必要があるかもしれません。あまりよい案は思いつきませんが、例えば、よく答えてくれるDrの紹介ページがあってもよいと思います。顔写真、経歴、専門を記載して、これまでの回答一覧にリンクするとか。これによって、教育熱心な若手医師のmotivationが上がるかもしれません。また、それらの教育熱心な医師の顔が売れることによって、その病院の(学生や研修医からの)人気が上がるかもしれません(笑)。質問するほうも、回答するほうも、ちょっとしたメリットがあると、規模が大きくなるかもしれません。

自分のノウハウをシェアしたい、社会貢献したいと思っている医師はたくさんいると思いますので、SNSや口コミで、Antaaでそれが可能であることをどんどん周知していけるとよいと思います。まだまだAntaaの認知度はそれ程高くないと思いますので、認知度を上げるためのpromotionが重要だと思います。

確かにそういう場があれば「出たい!」という先生も多いかもしれませんね。今はAntaaからオファーをしている形ですが、そういったノウハウの共有というのはあまり一般的ではないのでしょうか?

 病院間の交流というのは意外と少なくて、Antaaのような気軽に情報共有できる場は、稀だと思います。

ある病院(群)のノウハウは論文にしないと世に出ないため、基本的に共有されません。また、いろいろな学会はありますが、学会員にしか情報は通常共有されません。各領域の有志で行っている勉強会や、だれでも登録できる各専門領域のメーリングリストなどもありますが、数千人以上の規模でうまく機能しているものは少ないと思います。

少しでも医療者間の情報共有が上手くいくように、Antaaには頑張っていただけたらと思いますし、私にも貢献できることがあれば、お手伝いさせていただきたいと思っています。

 


 

連載:AntaaMembersインタビュー企画とは

Antaaと楽天RSA(※)協働プログラムの一環としてインタビューを企画。

医療業界ではない楽天の取材チームが、ITや編集の視点を織り交ぜながらAntaaのサービスを利用している現役の医師たちへ、Antaaとの出会いや使い方についてお話を伺っていきます。

(※)RSA(Rakuten Social Accelerator)とは
楽天グループが持つテクノロジーやビジネスアセットを、社会課題の解決に取り組む団体に提供し社会課題の解決を加速するプログラム。2019年6月17日~12月31日までの協働を通してAntaaの事業を推進。

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