医師同士の質問解決プラットフォームAntaaQAをサービス開始当初から利用している田中公孝医師。現在ぴあ訪問クリニック三鷹で院長として働く傍ら、様々な団体に関わり多方面でご活躍されています。
今回はAntaaと楽天グループ協働プログラム「インタビュー企画」※の第1弾ということで、Anta代表の中山俊医師と立ち上げ当初から交流があった田中医師からみたAntaaの価値や、医者としての価値観について伺いました。
Antaaとの出会い
現在の医師生活、そしてAntaaと関わることになったきっかけを教えてください。
現在、3つの医療事業の活動をしています。
自分の事業である「ぴあ訪問クリニック三鷹」での勤務がメインで6割くらい。複数の団体に関する活動が4割という生活をしています。
ただ4割の中には、本業とプライベートが溶け込んでいるところがありまして、花火とかBBQなどのイベントもふくめてという感じですね。
今ってイノベーションを起こすには隣接領域のかけ合わせが大事だと思うんです。医療業界だけだと閉塞感があるなと感じていて、そうやって楽しむことで色々な人とつながっていますね。
Antaaと関わるきっかけとしては、現在Antaa アカデミアという医師や医学生向けの経営やマネジメントを学ぶ勉強会を行っているんですが、その立ち上げを中山さん(Antaa 代表)たちと一緒にやったんです。
Antaaはそういったリアルなイベントを通じての紹介や、つながりからアンターのファンが集まっている印象で、それがAntaaQAのクオリティの担保につながっているなと感じています。
初めて中山さんからAntaaQAを紹介されたとき、どう思われましたか?
初めて開いた時、すごいなと思いました。カンファレンスみたい!(笑)
他のサービスも使いましたけど、ここまで真面目にコメントが書かれていないイメージなので驚きました!
質問の投稿画面をスクロールしても、ずっと真剣なやり取りが続いていくのはすごいなと思いました。 リアルな顔のつながりがあったり、東京の有名病院に勤めている先生が参加していることもあってすごく回答の質が高いんですよ。これは書籍になるレベルです(笑)
こんな風に使っています
実際にAntaaQAを使うのはどんな時でしょうか?
私は訪問診療を一人で開業しているので、なかなか聞ける人がいないんですね。
それに、訪問診療って色んな病気を診ないといけないんです! だから「呼吸器の先生に訊きたい」とか「皮膚科の先生に訊きたい」とか、自分のネットワークにはない専門家の意見が聞きたいというときはAntaaQAに投げていますね。
自分の臨床に、専門家の先生が3人くらいコメントつけてくれたんですが、どれも回答のクオリティが高かったです。 ほかにも類似サービスありますが、AntaaQAの先生たちは何行も説明を書いてくれるんですよね。
「私ならこういう説明します」とか「これはちょっと今の医療の限界かもな、と専門医からしても思います」とか、根拠も書いてくれるので、患者さんにもより納得感のある説明ができますし、そのまま患者さんに伝えられるのですごく助かりました。
ほかのサービスだとそこまでは説明を書かないで、「こうしたらよろしいんじゃないでしょうか」くらいの説明しかないことが多いです。
だいたいどれくらいの頻度でAntaaQAで質問しますか?
人それぞれだと思うんですけど、私は何カ月かに一回くらいですかね。
正直、細かい質問をしようと思えばきりがないんですけど、「ここは自分の力だけでは解決できない」という場面が出てくるのは何カ月かに一回です。
AntaaQAで投稿されてる質問には、結構リアルに困ってる質問がたくさん集まっています。
「確かにこれ来たら俺も困るな!」っていう事例だったり、緊急性のある事例だったり… 自分が質問する時は、専門医の意見が欲しい、一人では解決できない、というタイミングでAntaaQAを活用しています。
もしかしたら、もう少し気軽にレクチャーを受けるくらいの感覚で質問してもいいのかもしれませんね。 そういう意味では、今Antaaで定期的に配信されてる「オンライン勉強会」は、気軽に優秀な先生のレクチャーを受けるいい時間になっているかなと思います。
Antaaの価値
Antaaの価値ってどんなところにあると感じますか?
やっぱり「人」じゃないでしょうか。
Antaaに共感してファンになる人たちがコアになって広がっているなと感じますね。
他のサービスは基本的に顔が見えない分、回答の質も玉石混交というか…。
Antaaは、勉強会やセミナーといったリアルなつながりから顧客が広がっているからこそ、掲示板のように煽るようなコメントは全然なくて、質が担保されているなと思います。
実は最近の若手のドクターってどんどん勉強熱心になってきてるんですよ。
その中でもAntaaには「若手の勉強熱心な人」が集まってきている感じがします。
医学の内容は右肩上がりにどんどん高度になっていて勉強しなきゃいけないし、患者もインターネットで勉強しているので、エビデンスや論文を示さなきゃいけない状況になっている。
このリアルな顔の繋がりからクオリティを担保しているのがAntaaの尖っている部分じゃないでしょうか。
Antaaでは、無償にもかかわらずクオリティの高い回答をしてくれる医師が多いということですが、その原動力はどこにあると思いますか?
そうですね、
AntaaQAを利用する医師の間では、患者を救おうという価値観が共有されているなと思っています。
私が思うことなのですが、医師になるまでに医学部6年間、研修期間の2年間含めて8年間で、「医者とはこうあるべきだ!」という価値観が刷り込まれているような気がするんですよね。
日ごろからアンチテーゼというか、なんで医療業界ってこうなんだろうって考えることが正直多いです(笑)
理想を求めて、時間をかけて突き詰めたいことは医療現場にはたくさんあります。 ですが、なかなか現実は難しかったりで… そんな状況下での医師のモチベーションの維持は、結局個人に任されているんですよね。
私の場合は、高齢者の医療制度の破綻にフォーカスを当てることでモチベーションを保ってやってこれているところがあります。
そういうどこかモチベーションの高い医師がAntaaQAに参加していることも、質の高い回答をしてくれる事に繋がっていると思います。
連載:AntaaMembersインタビュー企画とは
Antaaと楽天RSA(※)協働プログラムの一環としてインタビューを企画。
医療業界ではない楽天の取材チームが、ITや編集の視点を織り交ぜながらAntaaのサービスを利用している現役の医師たちへ、Antaaとの出会いや使い方についてお話を伺っていきます。
(※)RSA(Rakuten Social Accelerator)とは
楽天グループが持つテクノロジーやビジネスアセットを、社会課題の解決に取り組む団体に提供し社会課題の解決を加速するプログラム。2019年6月17日~12月31日までの協働を通してAntaaの事業を推進。
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