【おすすめツール紹介】産婦人科医が使う!勉強方法&おすすめツール

産婦人科が今年度から初期研修で必修化されました。
皆さんは産婦人科分野についてどのように勉強していますか?

様々な参考書があるけれど結局どれがいいのかよくわからないなんてこともあるのではないのでしょうか?

現役産婦人科医の柴田綾子先生に教わる産婦人科の勉強法

今回、産婦人科の勉強方法やオススメの勉強ツールについて、現役産婦人科医の柴田綾子先生に教えていただきました!

柴田綾子先生プロフィール

淀川キリスト教病院 産婦人科
院内に留まらず各地での後進教育に携わる。性・妊娠・出産について悩む人を減らしたいと、LINEボットを作成し、一般に向けた発信も積極的に行う。著書に、「女性の救急外来 ただいま診断中」「産婦人科研修ポケットガイド」がある。
Twitter:@ayako700
HP:ラッコの妊娠相談室Lavoon 女性の応援隊

学習のポイント 多分野で役立つ知識を効率的に学ぶ!

産婦人科の知識は多分野で役立つ!

産婦人科というと「ホルモンやら超音波やら、、ややこしい!」というイメージがあると思いますが、実は産婦人科の知識は日常生活やプライベートにも役立ちます。

産婦人科を勉強して「女性の健康トラブルの異常が分かり初期対応ができる!」ことを目標に、初期研修の先生には産婦人科の研修で以下の4つを習得してほしいと思います。

  • 妊婦さん・授乳中の方の薬の使い方
  • 女性の腹痛の鑑別とアプローチ
  • 妊娠・出産の体を変化と異常を学ぶ
  • 超音波検査と手術の基礎を学ぶ


画像参照元:コウノドリ×日本産科婦人科学会
URL:http://202.5.79.44/to_medics/tobira/recruit_poster.pdf

ガイドラインを参照しよう!

日本産科婦人科学会が発行している診療ガイドライン(産科編、婦人科外来編)は、各項目がとても分かりやすくまとまっています。
2020年版は購入しないとみれませんが、電子版付きでお勧めです(基本は無料で閲覧できますが、3年ごとに更新され、改訂したては購入する必要があります)。

昔、国試で勉強したことなども最近のガイドラインでは変わっていることもあるので、ぜひ逐次チェックしてみてください。
とても勉強になります!

他職種に質問しよう!

産婦人科での研修は、初めは「分からないことだらけ」だと思います。
産婦人科の先生は忙しそうで外来や手術中に質問しづらかったり、国試・医学部で学んだ内容と病棟でやっていることのギャップにとまどうこともあると思います。

実は他職種の人に教えてもらうと、とても勉強になります

お産については助産師さんに、薬については薬剤師さんに、胎児の超音波検査については臨床検査技師さんにも聞いてみましょう。
他職種の人の方が知識が多いこともあります。
特に妊婦さんや褥婦さんについては助産師さんが知っていることも多いです。
タイミングを見計らって質問するといい知識が得られると思います!

質問するときはタイミングと状況が命になります。
*臨床検査技師さんは、胎児超音波検査をしている方としていない方がいます。

ライフステージを意識しよう

女性は、ライフステージ(年代、結婚、妊娠、出産、仕事、更年期など)によって、疾患の種類や体のトラブルも変わってきます。
患者さんの年齢やライフステージを意識して病気を学んだり、患者さんの背景を考えてみましょう。

女性の悩みや健康の問題は年代によって傾向があります。それを意識して勉強すると現場はもちろん、プライベートでも役立ちます。

 

ポイント復習

①各項目がわかりやすくまとまっている診療ガイドラインを逐次確認する!
②タイミングを見計らって、他職種に質問する!
③患者さんのライフステージを意識する!

 

柴田先生おすすめの書籍 幅広い内容を整理して臨床に応用!

柴田綾子先生
産婦人科を専門にしない先生にも、ぜひ読んでいただきたい本です!

分娩・出産ケア


画像参照元:メディカ出版 URL:https://www.medica.co.jp/catalog/book/1847

産科の必須手技 ベスト58
著者:聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター・産婦人科周産期科部長 村越 毅 編著/聖隷浜松病院看護課長 加藤 智子 編著
出版:メディカ出版

この本のすごいところは、産婦人科医と助産師が一緒に執筆しているところです。
ついつい医師視点からだけの勉強になりがちですが、分娩や出産ケアは助産師さんの知識技術がとても大きいのです。
この本のように一冊で産婦人科医と助産師さん側の知識が同時に読めるのは、とても画期的で実践的だと思います。
イラストや写真が多くて、実際に病棟や外来で役立ちます!

産科救急


画像参照元:メディカル・サイエンス・インターナショナル URL:https://www.medsi.co.jp/products/detail/3503

INTENSIVIST 産科ICU特集
著者:中山 理 聖隷浜松病院 産婦人科 藤谷茂樹 東京ベイ・浦安市川医療センター/聖マリアンナ医科大学 救急医学
出版:MEDSi

産科救急では、弛緩出血が起こったり妊婦さんがCPAになったり血圧が高かったり痙攣したりした時には、救急医・集中治療医の先生とも協力します。
そんな産婦人科医・救急医・集中治療医が集まって産科救急についてまとめた雑誌です。
妊娠による母体の生理的変化や、妊婦の致死的疾患から母体を救命するために必要な情報がまとまっています。

 


画像参照元:メディカ出版 URL:https://www.medica.co.jp/catalog/book/7987

母体急変時の初期対応
著者:日本母体救命システム普及協議会/京都産婦人科救急診療研究会 編著
出版:メディカ出版

産婦人科の病棟で起きうる急変に対して、どのように対応するのかをシミュレーション形式で学べる本です。
イラストが多く、シナリオにそって少しずつ状況が変化し、そのときに必要な知識を随時学ぶことができます。
病棟で母体急変が起こったときに、どのように動いたらいいのか、実戦形式で学ぶことができます。

帝王切開術


画像参照元:メジカルビュー社 URL:https://www.medicalview.co.jp/catalog/ISBN978-4-7583-1202-8.html

OGS NOW 3 帝王切開術 基本と応用まるごとマスター
著者:担当編集委員 竹田 省 シリーズ編集委員 平松祐司/小西郁生/櫻木範明/竹田 省
出版:メジカルビュー社

少し値段が高いですが、イラストがキレイでパラパラ眺めているだけで帝王切開のイメージが学べます。
初めて手術に入ると色々やっていてよくわからないこともあるかもしれません。
手術の術書は文字が中心だと、どうしてもイメージが湧きにくいので、帝王切開に入るときなどはイラストが多い本などを予め見ておくと、手術の流れをつかみやすいのでおすすめです。

 


画像参照元:金原出版 URL:https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307301343

帝王切開の強化書 Kaiserを極める
著者:監修 吉田 好雄/編集 西島 浩二
出版:金原出版

少しレベルの高い本です。
自分で帝王切開術を執刀するようになり、一つ一つの手技の意味を知って、さらに手術のレベルUPをしたい方にお勧めです。
難易度の高い帝王切開の術式について、イラストや写真で細かく解説されています。

産科診療一般


画像参照元:南山堂 URL:http://www.nanzando.com/books/33102.php

ウィリアムス産科学
著者:監修 岡本愛光/監訳 佐村修・種元智洋・上出泰山/翻訳 東京慈恵会医科大学産婦人科学講座「Williams OBSTETRICS」翻訳委員会
出版:南山堂

産科における「内科のハリソン」のような存在。
産科診療に必要なことが、ほぼ網羅されている辞書的な本です。
日常業務でルーチンで行われているこるものの意味や、昔の産婦人科診療で行われていたことなどが分かります。

妊婦さん・褥婦さんケア


画像参照元:南山堂 URL:http://www.nanzando.com/books/20301.php

お母さんを診よう   
著者:大津ファミリークリニック 中山明子編/あさお診療所 西村真紀編
出版:南山堂

プライマリーケア医や一般内科医が、妊婦さんや産後の女性を診るときに必要な知識がまとまっています。
妊婦さんのマイナートラブルに対する薬の処方と注意点は、実際の処方薬例などもあり実践的です。
さらに妊娠希望女性へのプレコンセプションケア(妊活支援)や、一般女性への予防医療(ヘルスメンテナンス)についても解説されているので、内科外来や救急室で役立つこと間違いなしです。

思春期のケア


画像参照元:南山堂 URL:http://www.nanzando.com/journals/chiryo/900010.php

思春期を診よう
著者:編集幹事 川崎セツルメント診療所 西村真紀
出版:南山堂

特に「性教育をやりたい」という方にお勧めの雑誌です。
性教育では、性感染症や妊娠の医学的知識だけでなく、思春期の子がもつ悩み(月経異常、にきび、ボディイメージ、恋愛、部活や不登校)の知識があると、とても役立ちます。
この雑誌では、思春期の子の診療(医療面接)から、LGBT、スポーツ、発達障害まで、幅広い知識に触れることが可能です。
思春期全体の問題を広く勉強できる雑誌です。

婦人科癌


画像参照元:金原出版 URL:https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/detail.html?isbn=9784307301251

婦人科癌について、専門医が患者さんやその家族向けに書かれた本です。
婦人科癌の患者さんを担当するときに、患者さんからの質問への返答や、家族への説明をするときに参考になります。

女性のヘルスケア


画像参照元:メディカルレビュー社 URL:https://www.m-review.co.jp/book/detail/978-4-7792-1739-5

産婦人科医へつなぐ日常診療での女性のミカタ
著者:編集 木村正
出版:メディカルレビュー社

産婦人科専門医が一般内科医へ向けて書いた本ですが、女性のヘルスケアに関心のある一般の方でも読みやすくまとまっています。
産婦人科の外来で、よくある女性の健康問題や質問にどう対応するかを学びたい方におすすめです。


画像参照元:産業医学振興財団 URL:https://www.zsisz.or.jp/shop/book/2015/10/book0053.html

働く女性と健康  
著者:東京大学名誉教授 武谷 雄二
出版:産業医学振興財団

産業医やヘルスケアに興味のある方にお勧めです。
働く女性が抱える健康問題について、仕事や職場との関連性の視点から解説されています。
性差医療の視点からも、職場の健康やヘルスケアの課題という視点からも、おすすめです。

 

オススメのアプリ 使うと妊婦さんの気持ちが少しわかる!

日本産科婦人科学会が監修した妊婦さんむけのアプリです。
無料で使えて、妊婦さんの気持ちが少し分かります。
妊婦さんが欲しい情報が少し分かるので、ダウンロードしてみるのもおすすめです。

柴田先生オススメのサイト 授乳中の薬や胎児エコーについて学べる!

国立成育医療研究センターが授乳中に安全に使えると考えられている薬の一覧表を掲載しています。
「どの薬を使っていいのか?」というのは特に妊婦さんからの質問も一番多いです。
とてもありがたく、便利に使っています。

英語のサイトです。
上記「授乳中の薬」の元となるデータベースのようなサイトです。
1つ1つの薬について、母乳中への移行の程度や、授乳したときの子供への影響などの研究データが検索できます

 

胎児エコーが無料で学べるE-learningサイト(日本語)です。
エコーはなかなか勉強が難しいと思います。
本でも学ぶこともできますが、動画などでエコーを勉強するともっとわかりやすいと思います!

 

Doctor’s Advice

産婦人科ではどうしてもプライベートな内容をかなり多く扱いますので、プライバシーがかなり高い診療科です。
女性の妊娠歴や中絶歴などの扱いは、研修中でも特に注意して欲しいと思います。

帝王切開中はお母さんが起きていらっしゃいますし、外来での内診ではお母さんがカーテンの向こうにいらっしゃいます。
お母さんは、自分のことや赤ちゃんのことを思い、たくさんの不安や心配を抱えています。
不用意な発言をしてしまうと、さらに不要な心配をおかけすることに繋がります。
医師も言葉遣いなど気にするため、手術中や外来中・エコー中にリアルタイムで研修医に解説できないこともありますが、勉強になるようなことをなるべくお伝えしたいです。
タイミングを見て、後から「これはどういうことだったのですか?」と聞いていただければと思います!

また、いきなり産婦人科の病棟や外来に来てみると、専門的な内容すぎてついていくのが難しいこともあると思います。
全てを理解するのは難しいですが、なるべく自分の日常生活や自分が進みたい専門分野で役立つ部分をより多く学んでもらえればなと思っています。

 

柴田先生、ありがとうございました!!
プライバシーが高い分、自分の生活にも密接に関わる診療科だと思います。
タイミングを見て、たくさん勉強させていただきたいです。

 

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