5月24日(日)に行われた「つながるちからフェス」の様子をご紹介致します。
「つながるちからフェス」は医療現場の最前線で活躍する現役医師が一堂に会するオンラインカンファレンスです。当日は一日中、豪華ゲストが熱く議論し大盛況となりました。
今回はその中から第14部「診断推論達人談義」を医学生インターン木内がお届けします!
登壇者紹介
司会
相田万実子(医療法人鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科)
第一部の「JOY女医」でも登壇していただいた相田先生に、今回は司会をしていただきました。
登壇者
清田 雅智(飯塚病院 総合診療科)
医師26年目。1995年に長崎大学医学部卒業。研修医時代から飯塚病院に勤務されており、飯塚病院を離れたのは5ヶ月ほどのみ。自治医大感染症科や亀田総合病院感染症総合内科へ国内留学を経験。モットーは「文献を読む」であり、人呼んで「文献ソムリエ」。
西澤 徹 (関西医科大学総合医療センター 呼吸器膠原病内科)
医師20年目。元々は血液内科志望であったが、医局の出向先からフラっと寄った音羽病院で、次に登場される上田先生と出会い総合診療を始める。青天の霹靂で医師免許を返上したくなるほど落ち込んだ時期を乗り越え、2012年より関西医科大学総合医療センターに赴任された。
上田 剛士 (洛和会丸太町病院 救急総合診療科)
医師20年目。名古屋大学医学部卒業後、洛和会音羽病院等を経て2018年4月より現病院へ勤務。病歴・身体診察を大切にしながらも、「広く」「深く」「心地よく」をモットーに、京都市内の病院で救急・総合診療の限界に挑戦中。
著書:『ジェネラリストのための内科診断リファレンス』(医学書院)、『高齢者診療で身体診察を強力な武器にするためのエビデンス 』 (シーニュ)ほか
志水 太郎 先生. (獨協医科大学 総合診療科)
医師16年目。2005年愛媛大学医学部卒業。江東病院等を経て、数ヵ国での総合内科武者修行・教育活動ののち、2016年4月より獨協医科大学、18年4月より総合診療医学初代主任教授に就任された。
著書:『診断戦略』(医学書院)『愛され指導医になろうぜ』(日本医事新報社)
研修医教育の現場


朝のレクチャーをzoomで録画して、それを他の科をローテしている人でも見れるように院内で共有しています。



外来は、総合診療科の外来なので、急性期もくるし、病歴的にも長い難しい方もいらっしゃるんですけど、どういう風に対応するかということをface to faceで教えることに関しては、まだ担保されていますね。そういう意味では、まだ背中を見せるというか一緒にやるというスタイルはあまりダメージ受けていないです。

研修医教育において意識していること



自分は、どうしてよいか分からずに辛かった時に、上司に「その症例面白いよね」と言われて救われた経験があって、同じことを言ってあげたいというのがあって、患者さんを自分の目で見て欲しいし、自分の手を使って診察して欲しいけど、1人で悩ませるんじゃなくて皆で悩んであげる。上の先生は分からなくても「その症例面白いよ」って言ってあげる心の余裕が欲しいですね。
もう一つは、下の先生が教育的な立場になるように育て行ってほしいということで、医者になると必要なのは、自分とは違う能力を持った人をいかに活かすか。看護師さんであったり、いろんなパラメディカルの人とコミュニケーションをとって、うまく作業していくと。そういうことが大事になってくるんです。こう言った作業ができるように、少なくとも自分と同じような立場の医者同士、研修医同士、学生さん同士で学んだことをシェアする。「自分がこんなこと学んで楽しかったよー」を「それ面白いね」って言い合える、そう言った文化を絶やさないようにしたい。どの教育病院にもありますが、うちの病院にもしっかりと根付かせることを意識しています。


扱った珍しい疾患
基礎疾患に神経線維腫症Ⅰ型(von Recklinghausen病)がある患者さんの発熱についてです。発熱は血腫の吸収熱であり、血腫は動脈瘤が由来であったという症例についてでした。ネット記事であり詳細は割愛させていただきます。(詳しくは動画をご覧ください)
清田先生は、von Recklinghausen病と聞いた時に、動脈瘤が鑑別に上がったそうです。

いろんな科をローテーションしたおかげで、友人からの耳学問もあって、今があるということを気づかせてくれる症例でした。


最近の先生は迅速な検索ができるので、負けることがありますね(笑)


診断のお気に入りグッズありますか?



先生方にとって「つながり」とは

いい意味で人任せになる社会を作っていくことですね。
大切な命というのは、他の人に守ってもらっているものですから。

診断学ですね。
患者さんがヒントをくれるので、それを全部綺麗につなげて、診断をつけて欲しい。それが、最終的には患者さんと医者とをつないでいくということになるんですね。

僕も診断ですね。
診断って病歴なんですよね。病歴の解像度を高くして映像化していくことが大切です。

迷ったらgo! ですね。
とりあえず出てみることで、新しいつながりができ、視野も人脈も広がり、明日の診療の糧になるんですね。
医学生インターンの感想
先生方の教育哲学に触れ、身の引き締まる思いでセッションを拝聴させていただきました。
私は、来年から研修医という立場になり、医療の世界に本格的に足を踏み入れることになります。医学に精通していくと同時に患者さんへの優しさなどの人間的な部分も忘れずに成長していきたいと思いました。
先生方の医療への情熱を感じるセッションでした。von Recklinghausen は私も鑑別疾患として今後上げていきたいと思います。
ありがとうございました。
医学生インターン 木内瑛大
記事化できたのは、映像のごく一部です!
配信を見逃した方、もう一度見たい方は、医師医学生限定Facebookグループにて視聴いただけます。
【第1部の配信】
JOY女医 !
皆さん、おつかれシャムです。
海を渡ったドクターたち
熱血救急医!
COVID-19時代のヘルステック
【第2部の配信】
SNS時代のスーパースター
スーパー在宅医
適々斎塾の軌跡と未来
医学教育が未来を創る
レジェンドの集い
【第3部の配信】
若手開業医スペシャル
今だからこそ感染症を明るく語ろう
Another dimension!次元の彼方へ
診断推論達人談義
各部 レポート記事
第1部 JOY女医!
まだまだ少ない女性医師。普段聞けない貴重な女医会!赤裸々な会話はまるで女医版SATC??必見です!
第2部
COVID-19の流行に伴い、生活への影響は大きなものでした。環境や体調の変化で人が変わってしまう??何が起こっているのか、そして一体どうすれば??
第3部
世界で活躍する医師たち。日本から旅立った理由も、活動の内容も、個々それぞれ。医師なら誰でも胸が熱くなる会話が繰り広げられました。
第4部
状況によって柔軟な対応を求められる難しい救急。多岐にわたる対応…そして、患者さんは笑かして帰らさなあかん?!
第5部
COVID-19は医療のあり方にもインパクトを与えました。ヘルステックは今後どうなっていくのでしょうか??
第6部
情報発信で世の中に貢献している医師たちの本音。しゅんしゅんクリニックPこと、お笑い芸人として活躍する宮本 駿先生も加わり、新時代の医師の活動について語りました。
第7部
コロナの影響で、診療体制も大きな変化がありました。在宅医として活躍する皆さんはどの様な対応をされているのか??リアルなお話。
第8部
開業医の、開業医による、医師・医学生のための医学塾「適々斎塾」。終わることのない、医学探究の情熱が画面を通り越して伝わるセッション!
第9部
様々な患者さんを治療するため、医師になるにはたくさんの知識と経験が必要になります。その教育に携わることは未来を創ること…!
第10部
医療界のレジェンドと呼ぶのにふさわしい方々に集結いただき、姿勢を正して!と気合が入りますが、とても和やかな日常を垣間見せていただきながら、様々なエピソードを伺いました。
第11部
独立して地域医療を展開する開業医。
個々の想いを胸に、奮闘されるリアルな会話が繰り広げられました。
第12部
新型コロナの流行でますます需要が注目される感染症内科医。今回の大流行で診察の基本原則を見直すチャンス??ペットも登場!
第14部
様々な経験を積むことが、医師として大切な成長要素。1人1人が良い医師になって欲しい、成長を支える先生方の想いが伝わるセッションです。
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