【イベントレポート】つながるちからフェス 第12部 今だからこそ感染症を明るく語ろう

5月24日(日)に行われた「つながるちからフェス」の様子をご紹介致します。

「つながるちからフェス」は医療現場の最前線で活躍する現役医師が一堂に会するオンラインカンファレンスです。当日は一日中、豪華ゲストが熱く議論し大盛況となりました。

今回はその中から第12部「今だからこそ感染症を明るく語ろう」を医学生インターン磯邉がお届けします!

登壇者紹介

岡 秀明先生(埼玉医科大学総合医療センター 感染症科・感染制御科)

コロナが感染症科の医者をクローズアップしたことを機に、ポジションを深めてこれから感染症内科医を目指してくれる人たちと明るい未来を!

 

大場 雄一郎先生(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性機・総合医療センター 総合内科・感染症制御室)

2−3月は感染症対策に従事していました。コロナには気をつけつつ、普段の感染症診療の重要性も改めて考えていきたいですね。今日は周りの先生方はファンキーですが、ファンキーすぎずクールに話します。

 

伊東 直哉先生(愛知県がんセンター 感染症内科)

静岡がんセンターに勤務した後タイのマヒドン大学へ留学。現在は愛知でコロナを含めた感染対策に従事しています。

 

藤田 浩二先生(一般財団法人津山慈風会 津山中央病院 総合内科・感染症内科)

本日はバーモント酢を入れたコロナビールを片手にコロナを語ります。

 

倉井華子先生(静岡県立静岡がんセンター 感染症内科)

国内でも随一の「虫系感染症内科医」。本日はお茶目に触覚のカチューシャをつけて我が家のペット、マダガスカルゴキブリの「マダちゃん」とセッションに参戦。コロナ関連では、小児科・救急科・DMATと共同で静岡県の感染症対策本部を作りました。

コロナで感染症内科医は増えるか?

伊東先生
感染症専門医は日本では1400人ほどの稀な存在です。
最近はコロナで感染症内科医が注目されていますよね。基本的に感染症内科医は裏方なので、スポットが当たるということ自体が異常自体なわけですよね。
感染対策の大変さも明らかになる中で感染症専門医が増えて欲しいとは思いますが、先生方いかがでしょうか。
大場先生
感染症対策のために病院に長時間勤務するということも起こっているので、感染症内科医を増やす必要があるのではないかという声は確かにあります。
今日は関心を持ってくれ得ている若い視聴者に向けて、やりがいや面白さを発信していければと思っています。好奇心旺盛な人、ウェルカムです!
岡先生
経営のことを考えるとどこの病院も感染症内科医を一人は確保したいはずですので、感染症内科医のポジションは増えていくと思います。
ただ、専門家として意見を尊重してもらえるしくみが必要ですね。
伊東先生
トップダウンで感染症内科医の意見を取り入れずに病院が感染対策の方針を決めてしまうことは起こり得ますよね。
静岡県全体をまとめておられる倉井先生、岡山の藤田先生、どうですか。
 
倉井先生
確かに感染症の専門家を欲しがる病院は増えると思います。
ただ、感染症と言っても非常に幅広い分野なので感染症内科医が何ができるのか、まだ曖昧な部分があると思います。
もう少し感染症内科医のできることを整理して示していく必要があると思います。
藤田先生
感染症内科医は科を問わず、臓器を問わず目の前の患者さんの治療をやるというミクロな仕事と院内の感染症対策のようなマクロな仕事をやっています。
今回の新型コロナウイルス感染症対策は、誰も解決策を知らない中で、少ないデータをかき集めて指揮官として対策に当たるというのが感染症内科医の仕事でした。
フルパワーで仕事をして、歓迎されるって最高の仕事ですよね!
仕事を楽しんでいる姿を若い人たちに見ていただければと思いますね。
ぜひ入ってきて欲しいなと思います。
 
伊東先生
確かに普段は手指衛生の指導がなかなか浸透していかないと感じていても、コロナに絡めると注目されるので面白いですね。
 

このように、感染症内科医の需要はますます高まっているというお話がありました。先生方が仕事にやりがいを持って楽しんでいらっしゃる様子がとてもよく伝わってきました!

感染症内科医の仕事

伊東先生
施設によって感染症内科医の仕事は変わってくると思いますが、大場先生はどんな内容の仕事をしていますか。
大場先生
感染症のコンサルテーションが三分の一、感染対策が三分の一、残りは外来で診断困難な症例や入院マネジメントという総合内科としての仕事や病院の管理に関する仕事を行っています。かなり幅広いことをやっていますが、とてもやりがいがあります。
伊東先生
コロナでそれらの仕事の割合は変わりましたか。
大場先生
3月、4月の仕事の7、8割がコロナになりましたね。
仕事量、熱量は凄かったですね。一方で正しい抗菌薬使用の管理など普段の業務がなくなるわけではありませんから、首が千切れるかと思いました。
コロナとは関係のない患者さんでもCTやPCRが検討されるケースもあったので、不必要な検査にはブレーキをかけながら安心安全な診療に導いていくという点で総合診療や感染症科医としての経験を生かせたと思います。
 
伊東先生
コロナと耐性菌といえば倉井先生ですけど、何かエピソードはありましたか?
倉井先生
まだデータが揃っているわけではありませんが、コロナの影響で国全体の動向としては外来の減少もあって抗菌薬の使用量は減っています。
ただ、広域抗菌薬の使用の割合は増えていると思います。
岡先生
耐性菌は減りましたね。ものすごく手指衛生をやるようになりましたし、MRSAも減っています。抗菌薬の使用だけではなくその他の感染対策がかなりできているという状態を底上げしてくれるといいですよね。コロナを怖がっていたことがきっかけでみんな自分から感染対策をするようになりましたね。
倉井先生
ここまで感染症が人の行動や意識を変えたコロナ、すごいですよね!
 
伊東先生
ネガティブな面ばかりがクローズアップされますが、コロナをポジティブに捉えるとしたらどんなことがあるでしょうか。
藤田先生
風邪診療はちょっと良くなりましたよ。コロナの診療は風邪診療の延長なので、それをきっかけに地域の診療から寄せられる相談も極めて的を射たものになってきました。
また、若手で風邪診療やコロナの診療に積極的に取り組んでいる人とたちの活躍の場ができて、みんなをつなげていっているような感じがしますね。
倉井先生
今はコロナを出発点として感染症対策が話題になっていますが、コロナも含めて感染症の基本原則にシフトチェンジしていくということが大切だと思うんですよね。
伊東先生
今はコロナが減ってきているので結局コロナ以外の事前確率を考える必要があります。
不要な検査をしないためにも患者さんの話を聞いて診察をすることが重要ですね。
岡先生
僕も大場先生も総合内科医ですが、不要な検査をしないためには、感染症の話に止まらず総合診療の力が問われていると思います。日本に足りていない検査の解釈の話になってきますし、総合内科が頑張らないといけないですよね。
伊東先生
コロナでテレビでも感度や特異度という言葉が取り上げられる時代になってきているので、総合内科的なこともクローズアップされてくるかもしれませんね。
大場先生
今後コロナとそうでない患者さんを一緒に診ていくために、原点回帰してちゃんとした装備をしつつ、基本通りにちゃんと診るということの必要性を改めて強調したいと思います。
感染症内科の先生方は、新型コロナウイルスの感染拡大を感染対策や診察の基本原則を見直すチャンスと考えておられるようでした。
ここで、リスナーからのコメントをAntaa株式会社の白神さんが紹介。医学生から寄せられた「感染症科を見学してみたい」という感想からも感染症内科に注目が集まっていることが伺えました。
そして、話題は感染症内科に関心を持っている若手に向けたメッセージへ。

これから感染症内科医を目指す人へ

岡先生
おかげさまですごく希望者が多くて、うちの大学病院には医局員が13名います。3病院からうちの科を回りたい人は希望者全員を受け入れています。開業医を中心に地域医療の担い手を目指す人が多い大学病院なので、風邪のみかたを教えるだけでも非常にやりがいがあります。僕以外のスタッフと院内でレクチャーをしたり、密になるのを防ぐためにアーカイブしたものを共有したりしています。今は対策を取りながらカンファレンスも継続しています。
藤田先生
今は医学生の病院実習が中止になっていますが、岡山大学の大学病院では、学生と一緒に血液培養や患者さんの診察をやります。ベースが総合診療なので、どういう頭の使い方をすると失敗しやすいかとか、どうやったら当たりやすくなるかをまとめて資料として渡して、そんな話をしながら実習をしています。
大場先生
大学からの紹介で実習に来る人もいますし、自分から見学を申し込んでくる人もいます。そういうふうに申し入れがあればぜひ受け入れていきたいですね。
伊東先生
これを機に感染症内科医になる人が増えれば嬉しいですよね!
 
大場先生
どしどしお願いしたいと思います!
倉井先生
静岡がんセンターも(見学を)再開しています。
私のところにもあちこちで(見学をさせて)欲しいという声が寄せられていています。
この世界はすごく狭いので、もし少しでも興味がある人がいて声かけてもらえれば、これが一番あなたの望むところに近いよ、というのを紹介できると思います。
感染症の業界って施設によってすごく特色があったり、自分にどういうキャリアプランがあるかによって、向いている場所が変わってくると思うんですよね。
なりたい人がいればどれだけでも受け入れられるような素地が感染症業界にはあると思います。
伊東先生
先生、またひとり感染症医の愛知(がんセンター)にも人を紹介してくださいね(笑)
倉井先生
希望者の要望と、状況を鑑みまして(笑)

感染症内科と一口に言っても、感染症に対してはいろいろなアプローチの仕方があるようですね。  

先生方にとって「つながり」とは

倉井先生
人も、虫も、世界の全てのものはつながっていて、虫の耐性菌は人につながっているし、人と人ともつながっています。
少し動くだけで何かが変わると思います!漠然とした言い方だけど(笑)
 
藤田先生
みんな違う施設で感染症内科医は普段別々に仕事をしていますが、志の高い人たちは常に時間空間あまり関係なく日々つながっています
僕にとってのモチベーションや宝物はまさにそれで、全国の人、世界中の人とつながって日々フルパワーでそれを楽しんでいます。
コロナによってさらにそれが強くなって、一丸となって立ち向かっていて。
つながるってまさにそういうことだと思います。みなさん、ぜひ飛び込んできてください。
伊東先生
ワンヘルスですね、ワンヘルス(笑)
僕にとっては孤独を埋めるもの、でしょうか。一人になると孤独感それなりに感じますよね。
平時だったらいいのかもしれないですけど、一人の状態でコロナに対応するって結構心細いんですよね。
でも、FacebookやTwitterなどのSNSやこのような会を通して、全国の先生方と情報のやりとりができます。
孤独感を埋めると同時に、つながりは僕にとって非常に大切なものですね。
大場先生
私にとってつながりで思い出すことは、感染症医になるまでのいろいろな縁、「えにし」みたいなものですよね。
学生のころ、研修医の頃、その後のいろいろあったんですけどね。
そういう縁が今の仕事につながっています。
皆さんにはオンラインのつながりも上手く生かして将来を切り開いて行って欲しいです。
 
岡先生
僕は感染症医を20年前、血液内科から目指してきたんですが、途中教授や病院長、感染症内科部長、病院全体と戦って4回全部ノックアウトされてます。
ただ、ダウンした後に絆から拾い上げてくれる人がいます。
ボクシングじゃないので、何回でも立ち上がったらいいと思います。
サプライズですが、7月より教授になることが決まりました。20年かけて若い人たちを育てていきたいと思います。
つながりを大切にしながら道を切り開いていく先生方のお話はそれぞれ個性豊かで、とても楽しく聞かせていただきました!

医学生インターンの感想

「今だからこそ感染症を明るく語ろう」は、コロナビールやゴキブリを片手に語らうお茶目な先生方がとっても素敵で、先生方の仕事に対する思いがよく伝わってくる魅力的なセッションでした。また、感染症内科の間口の広さを知ることができ、今後この分野がどう発展していくのか楽しみになりました!

医学生インターン 磯邉綾菜

 

記事化できたのは、映像のごく一部です!
配信を見逃した方、もう一度見たい方は、医師医学生限定Facebookグループにて視聴いただけます。

【第1部の配信】
JOY女医 !
皆さん、おつかれシャムです。
海を渡ったドクターたち
熱血救急医!
COVID-19時代のヘルステック

【第2部の配信】
SNS時代のスーパースター
スーパー在宅医
適々斎塾の軌跡と未来
医学教育が未来を創る
レジェンドの集い

【第3部の配信】
今だからこそ感染症を明るく語ろう
Another dimension!次元の彼方へ
診断推論達人談義

各部 レポート記事

第1部 JOY女医!

「JOY女医!」

まだまだ少ない女性医師。普段聞けない貴重な女医会!赤裸々な会話はまるで女医版SATC??必見です!

第2部

「皆さん、おつかれシャムです。」

COVID-19の流行に伴い、生活への影響は大きなものでした。環境や体調の変化で人が変わってしまう??何が起こっているのか、そして一体どうすれば??

第3部

「海を渡ったドクターたち」

世界で活躍する医師たち。日本から旅立った理由も、活動の内容も、個々それぞれ。医師なら誰でも胸が熱くなる会話が繰り広げられました。

第4部

「熱血救急医!」

状況によって柔軟な対応を求められる難しい救急。多岐にわたる対応そして、患者さんは笑かして帰らさなあかん?!

第5部

「COVID-19時代のヘルステック」

COVID-19は医療のあり方にもインパクトを与えました。ヘルステックは今後どうなっていくのでしょうか??

第6部

「SNS時代のスーパースター」

情報発信で世の中に貢献している医師たちの本音。しゅんしゅんクリニックPこと、お笑い芸人として活躍する宮本 駿先生も加わり、新時代の医師の活動について語りました。

第7部

「スーパー在宅医」

コロナの影響で、診療体制も大きな変化がありました。在宅医として活躍する皆さんはどの様な対応をされているのか??リアルなお話。

第8部

「適々斎塾の軌跡と未来」

開業医の、開業医による、医師・医学生のための医学塾「適々斎塾」。終わることのない、医学探究の情熱が画面を通り越して伝わるセッション!

第9部

「医学教育が未来を創る 」

様々な患者さんを治療するため、医師になるにはたくさんの知識と経験が必要になります。その教育に携わることは未来を創ること

第10部

「レジェンドの集い 」

医療界のレジェンドと呼ぶのにふさわしい方々に集結いただき、姿勢を正して!と気合が入りますが、とても和やかな日常を垣間見せていただきながら、様々なエピソードを伺いました。

第11部

「若手開業医スペシャル」

独立して地域医療を展開する開業医。
個々の想いを胸に、奮闘されるリアルな会話が繰り広げられました。

第12部

「今だからこそ感染症を明るく語ろう」

新型コロナの流行でますます需要が注目される感染症内科医。今回の大流行で診察の基本原則を見直すチャンス??ペットも登場!

第14部

「診断推論達人談義」

様々な経験を積むことが、医師として大切な成長要素。1人1人が良い医師になって欲しい、成長を支える先生方の想いが伝わるセッションです。

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