【イベントレポート】つながるちからフェス 第11部 若手開業医スペシャル

5月24日(日)に行われた「つながるちからフェス」の様子をご紹介致します。

「つながるちからフェス」は医療現場の最前線で活躍する現役医師が一堂に会するオンラインカンファレンスです。当日は一日中、豪華ゲストが熱く議論し大盛況となりました。配信の方も非常に多くの方にご覧いただき、大変ありがとうございました。

今回はその中から第11部「若手開業医スペシャル」についてのイベントレポートを医学生インターン小野寺がお届けします!

登壇者紹介

児玉 和彦 先生【こだま小児科】

和歌山で開業していらっしゃる、小児科、家庭医療の専門医および指導医の先生で、日本全国で講演やワークショップの活動を行っています。病気を治すだけではなく、こどもと家庭を明るく照らすことで未来を創っていくことも小児科医として誓っていらっしゃいます。

 

北 和也 先生【やわらぎクリニック】

奈良で開業医として活躍していらっしゃる北先生は、「おくすり相談外来」を開設し、患者とその家族の相談に乗るほか、薬の適正使用の啓発でポリファーマシーの解決にも取り組んでいらっしゃいます。

 

田中 公孝 先生【ぴあ訪問クリニック三鷹】

三鷹で訪問クリニックを開業していらっしゃる先生です。病棟勤務時に日本の高齢者医療に課題を感じ、課題解決を模索する日々を過ごしていらっしゃったところ、HEISEI KAIGO LEADERSに出会い、介護業界に飛び込みイベント運営にも従事していらっしゃいます。現在はメドピア株式会社の事業にも関わり、三つの側面から高齢者医療に向き合っていらっしゃいます。

 

小林 正宜 先生【葛西医院/大阪市立大学/育和会記念病院】

大阪で地域に根付いて医療を行っている葛西医院の院長で、今回のつながるちからフェスの発起人の先生です。地域の高齢化に伴い訪問診療にも力を入れていらっしゃいます。チーム医療のロールモデル作りや、子育て世代の女医の勤務の仕方の開拓にも力を入れていらっしゃいます。

 

開業医と勤務医の違い

セッションの最初のトピックは「開業医と勤務医の違い」についてでした。様々な面で違いが多くありそうですが、先生方は開業してからどんな違いを実感されたのでしょうか?

児玉先生
生活圏と職場が近いことですね。開業医としての師匠の先生に言われたのですが、「あんたの子供新聞載っ取ったな!」と言えるようになり、外出して人にあったら、気づかれる前に「あんたのこの前スーパーおったな!」と言えるようになるぐらい、その地域と密着していないとだめだと。それを常に意識してやっていますね。勤務医のときはこんなことは考えていませんでした。
北先生
同じですね。患者さんと自分の距離、職員さんと自分の距離が近いです。無意識に生活と仕事が一緒くたになっていますね。
もう一つは何といっても「経営」ですかね。医療と経営は切り離さないといけない、「汚い」ものだと思っていましたが、開業をしてから非常に大事なものだと気づきました。この二つを同じ目標に向かってやっていかなければなりません。
ここで北先生から経営についてのお話をいただきました。今までそこまで意識していなかった医療と経営の深い関係。次のトピックは経営についてのお話です!!

経営について

開業医は経営も自分でやらなくてはならないのも、勤務医との大きな違いですね。醍醐味の一つと言っていいかもしれません。コメント欄でも、「気になる」との声がたくさん上がっていました。

小林先生
経営を学ぶ方法はたくさんあるとは思いますが、私は習うより慣れろ、でした。まだ、父親の病院を継がずに、週1くらいで手伝っていた時は全く経営についてはタッチしていなくて。継承することが決まっているのならば、継承する前から実際に触れておくべきですね。
継承してからは、それこそつながりですが、他の先生の勉強会でつながった、経営に精通している方とお知り合いになってから相談したり、経営の生の声を聴いて勉強しました
ただ、根底にあるのは、「患者さんをしっかり診る力」。患者さんをしっかり診ることは、患者さんに来ていただくことに直結しますからね。
 
西山
そうなんですね!コメントで田中先生の経営の学び方についての話が上がっていますよ!!田中先生~~!!
田中先生
お二人とは少し違うんですけど、人とのつながりから学んだことが多いですね。僕は本とかも読んだんですけど、実感がある人に実際に聞くのが向いてるのかなと思います。なので、ゼミに今二つ参加しています。一つは全然医者と関係ないもので、医者は僕一人です。(笑) あとはAntaaアカデミアのお話もとても勉強になりますね。講師陣も豪華ですし!!
 
西山
ありがとうございます!!コメントで「不必要な医療」についての話も上がっていますが、これについてはどのようにお考えですか?
田中先生
経営の考え方を、一つ一つの足し算で考えるとそうなりがちだと思います。ちゃんと戦略を立てて経営ができていれば自ずと利益は上がりますから。気持ちは少しわかりますけどね(笑)
それぞれの先生方で経営を学んだ道のりは異なるようです。現代では経営に関する本やネットの記事から始まり、講演や勉強会など様々な手段で学ぶことができるので、自分に合った媒体で存分に学んでいきたいですね!

患者の求める医療と自分の目指す医療とのギャップ

開業をした先生方は、提供したい理想の医療や医師としての信念について意識する機会が多いと思います。そんな開業医の先生方が直面すると思われる、患者の求める医療と自分の目指す医療のギャップに悩んだ経験はありませんか?という質問がコメント欄に投稿されました。

児玉先生
私の病院は、親がやっていたときはかなり抗菌薬を出す病院でした。継承したときに患者さんに一つ一つ説明して不要な抗菌薬の処方を辞めていくことにしたのですが、患者さんは減ってしまいましたね。後から持ち直してきたので大丈夫だったのですが…
北先生
もちろん日々感じています。医師と患者さんの(サイエンス的な)情報は対称ではないですから、当然そこにギャップを感じています。ただ、患者さんに無理を強いることなく、そのギャップを上手に埋めるのが医療のアートの部分であると思ってます。悩むというよりはむしろ医師の醍醐味だと思っています! 
継承をするときは、前の院長先生が提供していた医療と、自分の提供する医療で質がどうしても異なってしまうため、始めはギャップに悩まされることもあるようですね。北先生からは、その患者さんと自分の医療に対する知識や考え方のギャップを勉強するのもやりがいの一つだという意見をいただきました!

リーダーとして

小林先生
北先生が「醍醐味」とおっしゃいましたけども、開業の醍醐味の一つに、やはり「一つの診療所を背負うこと」があると思います。個人的には開業をしてから患者さんへの対応が滑らかになるというか、俯瞰できるようになったと思っています。これはリーダーとしての立場が成長のきっかけの一つになっているのかなと考えているのですが、先生方がリーダーになって自分が成長したところなどをぜひお聞きしたいです!
田中先生
勤務医時代は自分のスキルを磨いたり、自分の組織の中でどうしようかといった意識の方が強かったですけど、開業してからは外に外に意識が向き始めました。地域の医療のリーダーとして、ケアマネさんや薬剤師さんなど、他の医療従事者の方から「田中先生、どう思います?」と、個にフォーカスを当てた意見を求められる機会が増えたので、責任感も増しました。その責任感から逆にリーダーシップを学んでいくという感じですね。
やはり開業をすると、責任感をより強く感じるとのことでした。ただ、その責任感が自分の学びにつながっていくことにもなるのですね。小林先生とは違う視点からの成長についての意見をいただきました!
 

 「若手」開業医として

開業医の先生方、とくに在宅医療を中心に開業なされている先生だと非常勤で医師の先生を雇ったりすることも多いでしょう。早めに開業した先生方だと、自分より年次の上の先生方にお願いする機会も多く、上下関係の強い医師の世界では難しい場面もあったのではないでしょうか。

 
西山
若手開業医として、年次の上の先生方との関係や非常勤の先生との関係についてお話を聞きたいというコメントが来ています!!
小林先生
非常勤の先生、週一回訪問診療を手伝っていただいている先生がいらっしゃいます。その先生は女医さんなんですけど、大学院で勉強をしながら臨床の経験も積みたいとのことで、まず当院に見学に来られたことがきっかけです。半年くらい週1日見学して頂いていると、かなり診療スキルも身についたので、今では見学ではなく比較的ケアしやすい患者さんを担当してもらっています。
北先生
一緒に働く先生とは信念対立はゼロではないですね。プロとしてやっている限りはそれぞれの思いがあるので。その中でどのようにやっていくかが難しいですね。院長の自分がどうしても譲れないことだけはしっかりシェアしていかないと、他のスタッフがどう動いていいのかわからなくなりますから、それだけは気を付けていますね。
様々な意見を先生方からいただきました。同じ開業医の先生でも、色とりどりの回答をいただけるのは素晴らしいですね。コメントの方もたくさんいただき、盛り上がっていました!!

先生方にとって「つながり」とは

今回のつながるちからフェスのテーマ、「つながり」とは先生方にとってどのような言葉なのでしょうか?お一人ずつ順番に聞いてみました!!

児玉先生

信じる力」だと思います。元々あるものをどれだけ信じられるか、世の中の流れとか、世代を信じる力、自分を信じる力が大事かなと思います。

北先生

あいうえお作文を今即興で作りました!(笑)
つ!辛い時も、
な!涙が出るときも、
が!ガタガタ震える夜も、
り!理由などなく大切なもの。

小林先生

つながりとは「私の武器」ですね。私自身は大した人間ではないですが、皆さんのような方々とつながることで、自分を引き出せる、活かされる。本当に素敵で、大切なものだなと思います。

田中先生

つながることは「成長」であり、「自分の拡張」であり、相互に豊かさをもたらすものかな思っています。開業は孤独だなという話が良く上がりますが、今回のようなつながりを大事に。開業医こそ、つながりを大切にしていくことが非常に重要なのかなと思います

医学生インターンの感想

第11セッション「若手開業医スペシャル」、いかがでしたでしょうか?

私はこのセッションは、「若手開業医」という同じ肩書きの先生方を集めた一方で、5人の先生方で医師としての考え方や信念が違う方向を向いていて、それぞれの先生方が実現したい医療に熱心に取り組まれているのが、このセッションがとても面白いものになった理由の一つだと考えています。同じ質問でも違った視点からの意見を毎回いただくことができ、とても学ぶことが多いセッションだったのではないでしょうか。

「つながり」についても同様で、私のなかの「つながり」についてもう一度考え直すのにとても参考になりました。読者の皆さんにも、少しでもこの記事が皆さんの参考になれば嬉しいです。

医学生インターン 小野寺啓

配信を見逃した方、もう一度見たい方は、医師医学生限定Facebookグループにて視聴いただけます。

【第1部の配信】
JOY女医 !
皆さん、おつかれシャムです。
海を渡ったドクターたち
熱血救急医!
COVID-19時代のヘルステック

【第2部の配信】
SNS時代のスーパースター
スーパー在宅医
適々斎塾の軌跡と未来
医学教育が未来を創る
レジェンドの集い

【第3部の配信】
若手開業医スペシャル
今だからこそ感染症を明るく語ろう
Another dimension!次元の彼方へ
診断推論達人談義

 

各部 レポート記事

第1部 JOY女医!

「JOY女医!」

まだまだ少ない女性医師。普段聞けない貴重な女医会!赤裸々な会話はまるで女医版SATC??必見です!

第2部

「皆さん、おつかれシャムです。」

COVID-19の流行に伴い、生活への影響は大きなものでした。環境や体調の変化で人が変わってしまう??何が起こっているのか、そして一体どうすれば??

第3部

「海を渡ったドクターたち」

世界で活躍する医師たち。日本から旅立った理由も、活動の内容も、個々それぞれ。医師なら誰でも胸が熱くなる会話が繰り広げられました。

第4部

「熱血救急医!」

状況によって柔軟な対応を求められる難しい救急。多岐にわたる対応そして、患者さんは笑かして帰らさなあかん?!

第5部

「COVID-19時代のヘルステック」

COVID-19は医療のあり方にもインパクトを与えました。ヘルステックは今後どうなっていくのでしょうか??

第6部

「SNS時代のスーパースター」

情報発信で世の中に貢献している医師たちの本音。しゅんしゅんクリニックPこと、お笑い芸人として活躍する宮本 駿先生も加わり、新時代の医師の活動について語りました。

第7部

「スーパー在宅医」

コロナの影響で、診療体制も大きな変化がありました。在宅医として活躍する皆さんはどの様な対応をされているのか??リアルなお話。

第8部

「適々斎塾の軌跡と未来」

開業医の、開業医による、医師・医学生のための医学塾「適々斎塾」。終わることのない、医学探究の情熱が画面を通り越して伝わるセッション!

第9部

「医学教育が未来を創る 」

様々な患者さんを治療するため、医師になるにはたくさんの知識と経験が必要になります。その教育に携わることは未来を創ること

第10部

「レジェンドの集い 」

医療界のレジェンドと呼ぶのにふさわしい方々に集結いただき、姿勢を正して!と気合が入りますが、とても和やかな日常を垣間見せていただきながら、様々なエピソードを伺いました。

第11部

「若手開業医スペシャル」

独立して地域医療を展開する開業医。
個々の想いを胸に、奮闘されるリアルな会話が繰り広げられました。

第12部

「今だからこそ感染症を明るく語ろう」

新型コロナの流行でますます需要が注目される感染症内科医。今回の大流行で診察の基本原則を見直すチャンス??ペットも登場!

第14部

「診断推論達人談義」

様々な経験を積むことが、医師として大切な成長要素。1人1人が良い医師になって欲しい、成長を支える先生方の想いが伝わるセッションです。

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