この記事は、医師同士疑問解決プラットフォーム “Antaa” で実際に行われたやりとりの中から学んでおきたい内容を回答いただいた先生に執筆いただいております。






内果は全く痛がらないんです。受傷から6時間経ってますが、腫れはそんなに…という感じでした。技師さんが新人の方で、今みると側面の出来は…でした(^^;;
斜位撮れば良かったですね…
スタスタ歩いてましたし、自転車(代替手段なし)で6kmくらい先の学校に通わなきゃいけないということで、今日のところはテーピングで固定しました。
レントゲンで骨折はっきりしないけど一部怪しいところはあるので(後からはっきりすることもありますので)、おし痛みが増すようならまた受診して下さいとお伝えして帰宅としました。

スタスタ歩けるようなら、大丈夫だと思います!また疼痛増したら再診の指示も出してあれば問題ないかと思います。
疼痛部位に疑わしいラインあると気になりますよね。。すごくわかります(・_・;

特に1人当直だと、緊張します(^^;;
ありがとうございました!
ここでは最も多い受傷機転である足関節内反による外傷にフォーカスし、Ottawa Ankle Rules、成長軟骨版(骨端線/成長線)の考え方、AO/OTA分類を用いた足関節骨折について解説します。
医療法人社団翠明会山王病院 整形外科 藤井達也
1. 足関節外傷(捻挫, 骨折)で重要なのは受傷機転と圧痛部位
足関節の外傷を診る時に大事なことは「受傷機転」と「圧痛部位」です。今回は直達外力による外傷でしたが一般的に多い介達外力、特に足関節内反による外傷をメインに解説していきます。
2.Ottawa Ankle Rulesで捻挫か骨折を疑いレントゲンの必要性を考える
正確には足関節だけでなく足部を含めた評価を行うツールで、特に骨折で損傷しやすい箇所の圧痛を重点的に診るものです。
2003年のBMJのReview(2)では[小児でも使用できることが確かめられています。感度が高いので、いずれもなければレントゲン撮影の必要性が下がる、というように使用します。
質問に「4歩以上歩行可能」という記載がありましたが、このルールを念頭においたものであったことがわかります。ただし、今回は直達外力による外傷なので文献のinclusion criteriaとは異なる点に注意が必要です。
<Ottawa Ankle Rulesの足関節の圧痛部位(2)より作成>
3. 小児では成長軟骨板(骨端線/成長板)の確認のため健側撮影を
小児の骨では成長軟骨板(骨端線/成長板)と二次骨化核が存在します。個人差もありますが、下腿遠位では17歳頃に閉鎖します。
もし骨折線なのか成長軟骨板なのか[keikou]迷ったら健側の撮影[/keikou]を同じように行います。
4. 頻度の高い足関節骨折はAO-typeB
骨折の分類としてAO/OTA分類がよく用いられますが、その中でもtypeBのものが多いです。
従ってOttawa Ankle Rulesにあるように外果、内果の後方の圧痛を確認する必要があります。ポイントは後方の圧痛を確認することです。前方は前距腓靭帯の付着部も存在し足関節捻挫でも圧痛が強くでる部位だからです。
AO分類とは
AO分類は頭部以外の全ての骨折に使える分類です。スイスにある骨折治療の研究グループが作りました。無料で使えるwebページがありますので参考にしてください(アプリもあります)。[リンク] AO Surgery Reference
※AO分類は2018年に改定されましたがこの記事の内容に大きな変更はありません。
・発表されたJOTの文献がAOTraumaにて公開されています。
・発表された新しいリーフレット
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5. 参考文献
- Med Clin North Am. 2014 Mar;98(2):313-29.
- BMJ. 2003 Feb 22;326(7386):417-9.
- JAMA. 1994 Mar 16;271(11):827-32.
- J Orthop Trauma. 2007 Nov-Dec;21(10 Suppl):S1-133.
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