2019/04/06

医療者からの発信で情報格差の解決を目指す若手外科医。いま、SNSに注力する理由とは?

 

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和田 武(わだ たけし)
    ■放射線科専門医
    ■がん研有明病院画像診断部医員/聖路加国際病院放射線科非常勤医/千葉大学大学院医学研究院 画像診断・放射線腫瘍学大学院生/アンター株式会社医師統括部
    ■2016年度聖路加国際病院放射線科チーフレジデント
    ■第101回北米放射線学会 Cum Laude 受賞
    ■画像診断.com
    ■臨床(画像診断・IVR),研究,執筆,ホームページ運営,医師のコミュニティ形成などの活動を行っています.画像診断に関することなら何でも,ご相談ください.

外科医・大学院生として診療や基礎研究に従事する傍ら、ブログや SNS、ウェブメディアなど様々な媒体で医療情報発信を続ける山本健人(外科医けいゆう)先生。

ブログ「外科医の視点」は開設4ヶ月後に67万PVを達成し、Twitterのフォロワー数は2019/01/27現在20000人を超えています。そんな山本先生に医師としてのこれまでの歩みや医療情報発信を始めたきっかけについて語って頂きました。

この記事は2019年2月9日の第9回 United Medical Leaders Tokyoのゲストを紹介するインタビュー記事です。最後には当日の御講演内容も少しだけご紹介いたします。

医療者からの発信で情報格差の解決を目指す若手外科医。いま、SNSに注力する理由とは?

− 現在の取り組みについて教えてください。

現在は京都大学大学院医学研究科の博士課程に籍を置き、週5日間ほどは大腸癌の基礎研究に従事しています。専門は消化器外科で、残りの二日間は病院で診療も行っています。

2017年の大学院への進学を契機に、病院勤務時よりは少しだけ時間の余裕が出来たこともあり、個人ブログである「外科医の視点」を開設しました。

ブログは開設4ヶ月で月間67万PV (Page View) を達成し、現在も多くの人に見て頂いています。また「外科医けいゆう」のペンネームでSNSでも情報発信を行っています。

− 医療情報発信をはじめたきっかけを教えてください。

医師として働くうちに、専門的な知識を持つ医師と一般の方々(医療を受ける側)との間にある情報格差に問題意識を持つようになりました。

医師にとっては基本的な事項であっても、一般の方々には知ることができず、損をしていることは多くあります。

この情報格差については私以外の多くの医師も問題意識を持っていると思いますが、なかなか解決には至っていないのが現状です。

また、医師や医療について誤解をされている一般の方々もいます。こうした問題を言語化して表現したいという気持ちが原点となり、情報発信を始めました。

最初は医療問題に対する意見を新聞に投書していたのですが、あるとき有用な情報発信を行っているブロガーや、ブログ経由での書籍発売例などの話を聞き、興味を持ちました。

大学院進学に伴って病院勤務時よりは時間を作れるようになったので、それからはブログで情報発信するようになりました。

ブログの中では一般の方々に向けて、医師が考えていることがわかりやすく伝わるように解説したり、「コード・ブルー」をはじめとした医療ドラマの解説をしたりしているほか、医師向け、看護師向けの記事も執筆しています。

 

山本健人先生のブログ「外科医の視点」

− これまでのキャリアについて教えてください。

2010年に京都大学を卒業し、地元にある神戸市立医療センター中央市民病院で初期研修をスタートしました。

若手医師の教育体制が整っている施設で、幅広く学ぶことができたほか、3次救急救命センターを擁していたこともあって、外科医として緊急手術に関わることも多く、このお陰でブログでの医療ドラマ解説では経験に基づいた現場感のある記事が書けているのではないかと思っています。

2017年からは学位取得を目指して大学院での基礎研究に従事することになりましたが、現在も基礎研究の隙間を縫って医師として診療を行っています。

− TwitterなどのSNSを始めた理由を教えてください。

 ブログは運営開始から多くの投稿を積み重ね、徹底的に SEO (Search Engine Optimization) も研究して、開設してから4ヶ月後には月間67万PV (Page View) へと成長しました。

正確な医学情報を発信し、それを見てくれる人がいれば価値のあるブログであり続けられると考えていました。

そんな時、不正確な医療情報キュレーションメディアの問題に端を発した、Googleの検索アルゴリズム改訂によりブログの訪問者が激減してしまいました。

Google という単一の検索エンジンに入り口を依存した状態は脆弱であり、ブログの価値が検索エンジンのアルゴリズム次第で毀損されてしまう状況だと認識しました。

情報発信のためには、正しい医学情報を発信することのみならず、多数の入り口をもつこと、自分という個人の価値を明確化することで、「この人が書いている記事だから信頼できる」というように認識してもらうことも重要だと感じました。

そこでTwitterでの情報発信をはじめ、私という個人の価値を明確化しようと考えました。

− Twitterを始めてどんなことを感じましたか?

 実際にTwitterをはじめてみると、発信力があり、非常に上手に医療情報を語っている医師が多くいることにまず驚きました。

そういった医師には多くのフォロワーがおり、一般の方でも質の高い医療情報を受け取ることができることも驚きでした。

私も何とか有益な情報発信の一翼を担いたいという思いから、Twitterで発信を始めました。

− 医師がSNSで発信することのよい点はなんですか?

 Twitterのよいところは、医師アカウントがいわゆる「トンデモ医学」を監視していることだと思います。

Twitter上では、「トンデモ医学」を流布しようとするアカウントに対して医師アカウントが医学的見地から適切なコメントをしたり、患者さんに深刻な被害を及ぼしうる場合には、非常に多くの人に拡散され注意喚起がなされています。

こういったやり取りをみることで、一般の方でも標準的な医師の考え方を知ることができますし、医療リテラシーを高めることもできます。

また、私が医師として発言する場合に、専門外の領域について他科の医師から有用なコメントを頂けたりと、発信者としても非常に学びが多い環境だと思っています。

専門家同士の議論を実際にみることができるのも勉強になります。医師にとっても情報収集ツールとして有用だと思います。

− UML 当日はどんなことをお話ししていただけますか?

 当日は、必須ツールとなったSNSを我々医師が実際にどう活用していくかということに加え、若手医師・医学生に向けて、医師としてのキャリアに+αの要素をもつことの重要性についてお話したいと思います。

UML Tokyo 御講演タイトルスライド

外科医として患者さんを救うだけでなく、インターネット上で医療情報を多くの人に届けている山本先生。そんな山本先生が登壇する、若手医師・医学生限定イベント United Medical Leaders (UML) は2019年2月9日(土)に御茶ノ水で開催されます。インタビューでは語りきれなかった山本先生の想いや、医師が知っておくべきSNSの活用法について直接お話を聞ける数少ないチャンス。ぜひ2月9日は UML にご参加ください。

和田 武

山本健人(やまもと たけひと)先生

消化器外科医。2010年京都大学医学部卒業後、市中病院勤務を経て2017年から京都大学大学院医学研究科博士課程に進学。運営する医療情報ブログ「外科医の視点」や、「外科医けいゆう」のペンネームでTwitterやInstagramなどのSNSで様々な角度から医療情報を発信している。時事メディカル、看護roo!、エムスリーなど連載多数。外科専門医、消化器外科専門医、消化器病専門医、がん治療認定医など

UML Tokyo

日時: 2019年2月9日(土) 17:00開始

場所: 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア 3F デジタルハリウッド大学院駿河台ホール

対象: 卒後10年目以下の医師・医学生

※AntaaQAアプリご利用の医師医学生の方は1000円引きです!アプリトップ画面に割引コードあり!

インタビュー: 荒川裕貴、和田武

文責: 和田武

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    ■放射線科専門医
    ■がん研有明病院画像診断部医員/聖路加国際病院放射線科非常勤医/千葉大学大学院医学研究院 画像診断・放射線腫瘍学大学院生/アンター株式会社医師統括部
    ■2016年度聖路加国際病院放射線科チーフレジデント
    ■第101回北米放射線学会 Cum Laude 受賞
    ■画像診断.com
    ■臨床(画像診断・IVR),研究,執筆,ホームページ運営,医師のコミュニティ形成などの活動を行っています.画像診断に関することなら何でも,ご相談ください.
 

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